都民は防災備蓄強化 <世論調査結果>

東京都が11月27日に発表した「都民生活に関する世論調査」の結果によると、都民の都政への要望として、最も力を入れてほしいことは防災対策で、特に防災都市づくりや、災害時の活動体制の充実を高く望んでいることが明らかになった。


都政への要望

調査は毎年行っているもので、都全域に住む満20歳以上の男女3000人を、住民基本台帳から年齢や地域などに偏りなく無作為抽出し、調査員が個別訪問をして聴き取る方法で8月24日から9月9日にかけて実施した。

このうち、都政への要望として、特に力を入れてほしいものの上位5位は、第1位「防災対策」55%、第2位「治安対策」48%、第3位「高齢者対策」44%、第4位「医療・衛生対策」42%、第5位「環境対策」26%の順となった。都政への要望を経年変化で見ると、「防災対策」は2ポイント増加して昨年に引き続いて第1位で、昨年第3位だった「治安対策」が昨年より4ポイント増加して第2位となった。以下、第3位が「高齢者対策」、第4位が「医療・衛生」、第5位が「環境」。

防災対策への具体的な要望事項は、防災都市づくり(道路の整備や建築物の耐震化、不燃化等)が43.7%と最も高く、次いで災害時の活動体制の充実が39.4%、防災対策に関する普及・啓発活動の充実が10.1%と続く。

また、都が今年4月に公表した首都直下地震等による被害想定を受け、都民として備えを強化したものを聞いたところ、「飲食や食糧など生活必需品や防災用品の備蓄」が58%でトップ、「飲料水や食糧、ラジオなどの携帯」が38%、「避難場所や避難経路の確認」が37%、「家族や親戚、知人との連絡方法の確認」が32%と上位を占めた。一方で、自宅の耐震化や耐震診断の実施は7.7%と1割にも満たない。


震災への備え

このほか、地域の防災活動への参加状況について聞いたところ、「地域の防災活動に参加している」は16%で、「参加していないが今後できれば参加したい」が34%、「参加しておらず、今後も参加したいとは思っていない」は50%を占めた。


地域の防災活動への参加状況

「参加している」「したいと思っている」理由は、「災害時に取るべき行動や心構えを知りたいから」が69.6%と突出して高く、このほか「地域に貢献したいから」10.7%、「専門的な知識や技術を身につけたいから」7.8%、「地域の人と交流できるから」7.3%などが続いた。