プロティビティLLCがBCPアンケート

リスクコンサルティングのプロティビティLLC(東京都千代田区)が同社メールマガジン読者を対象に実施したBCP(事業継続計画)アンケート調査によると、BCPを現在策定中・見直し済という企業は全体の88%にのぼりながらも、予算については半数近くが前年と同レベルで、業務全体のコストダウンを図りながらBCPを進めていかなければならない実態が浮かび上がった。ただ、2011年度に比べて増加した企業も3割あり、景気低迷が続く現状にありながらも、事業継続のための対応に力を注ぐ企業の存在を印象づけている。

写真を拡大左:BCPへの予算状況右:BCPの実施・見直し状況

この調査は今年6月に実施されたもので回答企業は90社。内訳は製造業37%、卸小売業17%、サービス業12%、金融業10%、情報通信業9%、建設5%、出版印刷1%、不明が9%。

東日本大震災の経験を経て、全体の56%が現在、BCPの検討あるいは見直しを実施していると回答し、すでに見直し済みというところは32%だった。サンプル数は少ないが、調査した企業のうちの9割近くがBCP対策を講じている。「わからない」が7%、「未対応」が5%あった。

 データセンターの体制は、メインとバックアップセンターの2拠点体制を敷いているところが約半数を占めた。メイン・バックアップセンター保持が49%、メインセンターのみ持っている企業31%、わからないという回答20%。

データセンターの2拠点体制を敷いている企業は事業継続への関心が高く、すでにある拠点のほかに「新たに設置予定」が20%あった。

また、関東圏に本拠地を置いている回答企業が多かったためか、関西圏にデータセンターを移すことを検討している企業が多い結果が出た。関西圏(50%)・関東圏(22%)を併せると72%で、国内の関東と関西の2拠点化が主流となっている様子がわかる。

写真を拡大左:2拠点体制を敷いている企業のデータセンター検討状況右:メインセンターのみで運用されている企業のデータセンター検討状況

このほかBCPを実施・検討済みの企業の59%がデータセンターのバックアップ体制の業務をアウトソーシングしている、あるいはアウトソーシング検討中であり、業務の効率化と継続性の視点がBCP対応と関連性が高いことがうかがえる。

写真を拡大左:データセンターの移管場所右:バックアップ業務のアウトソーシングについて