弱い立場の人を支える社会福祉を、社会が支えていく必要がある(写真:写真AC)

冬期停電

身体に深刻な影響を与える冬季停電

12月から大雪になってしまった。特に20日から25日にかけてのクリスマス寒波では、いたるところで車両の立ち往生や停電が発生した。北海道オホーツク地方を中心に停電が拡大し、紋別市で23日、市のほぼ全域のおよそ1万3350戸が停電となった。

紋別市は急きょ、10カ所の避難所を開設するなど対応に追われた。避難所や車中で過ごした方もいたという(NHK報道)。12月24日昼前にはほぼ復旧したと聞き、ほっとしている(その後、25日に再度停電)。

福祉事業者は体の弱い高齢者、障がい者等を支援しているので、どれだけ不安なことだろうか。こんな時、少なくとも3日間は何の不安もなく事業を継続できる計画を立て、備蓄や訓練を行うのがBCPだ。

寒冷地では停電時の予備暖房として石油ストーブを用意(写真:写真AC)

かつて、北海道のある介護福祉施設を訪問した時、暖房はセントラルヒーティングのみだった。停電になったらどうするのかと聞いたら「考えたことはなかったけど、みんなで大広間に集まって毛布をかぶるのかなあ」という答え。真冬には何℃になるかと聞いたら「零下15℃くらいはしょっちゅう」と答えてから、「あっ」と職員が顔を見合わせた。

そこで、停電対策として、必ず石油やガスストーブを併用してくださいとお願いしたことを思い出す。

当時は、北海道で全域停電の経験はなかったが、2018年9月3日未明に発生した胆振東部地震で全域のブラックアウトが発生した。北海道電力の努力もあって発生後から約2日で約99%が復旧した。他の自然災害事の停電と比較すると、かなりの早さで復旧作業が進んだといえる。

一方、私がヒアリングした限りだが、これがもし冬期であれば、在宅はもちろん病院や福祉施設でも大変な事態になっていただろうとのことだった。