2015/07/10
C+Bousai vol3
原発被害を乗り越え未来に繋ぐ
これまでの取り組みを文書化
2014年12月、半田地区は半田地区防災計画作成委員会を結成し、毎月会議を開催。4回の会議で、地区防災計画暫定版を策定した。防災計画は、東日本大震災以降繰り返してきた防災訓練などの取り組みをベースにし、計画は平常時と災害発生時で構成するものとした。
また、福島県特有の災害として、地区防災計画の中には「原子力災害」を盛り込んだ。原発から65キロメートル離れているために直ちに避難しなくてはいけないわけではないが、東日本大震災を踏まえ、以下の指示を記載している。
今後はさらにブラッシュアップを図る
昨年開催した半田地区の避難訓練は、地区住民3700人のうち400人が出席した大規模なものとなった。福祉避難所も地区内に1カ所設置したため、リヤカーに要介護者を乗せて逃がすなどの訓練も行った。
半澤氏は「目標200人だったが、倍の人数が集まった。今回は大人だけだったので、次回は子どもたちにも参加して欲しい。中学生には、ボランティア的な役割も与えたい」と話す。
今後は、各町内会ごとに防災士などの資格を取った防災担当者を作り、担当者を中心にした組織を作ることを検討しているという。住民自治会でも、ノウハウが途切れないように副会長を2名から3名に増やしたり、任期を延長するなどしている。今後は、女性も副会長に入ってもらい、避難所の設営など女性目線で進めていく予定だ。
半澤氏は今回の地区防災計画に当たっては、行政のサポートが不可欠だったと話す。計画策定を支援した桑折町では、半田地区をモデルケースとして、今後は桑折町全体で、地区ごとの防災計画を立てるのが目標だ。
桑折町役場の菅野氏は「現在、地区ごとにハザードマップの作成を開始している。将来的にはもっとイラストなどを入れて見やすくし、A3版1枚で家庭に貼っておけるようなものを作りたい」と町ぐるみの地区防災計画策定への意気込みを話している。
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