2015/01/20
C+Bousai vol2
【防災力を高める訓練・ツールを紹介】
クロスロードは、難しい決断に迫られる災害対応を模擬体験することで防災力を高めるためのゲーム。「3000人いる避難所で、2000食を確保した。この食料を配るか配らないか」など、正解がなく、どちらを選んでも何らかの犠牲を払わなくてはいけないようなジレンマに対して、自らの意志をYES(配る)かNo(配らない)のいずれかで決断する。災害対応を自らの問題として考え、自分と異なる意見・価値観の存在への気付き、その意見を共有することができるようすることが目的。回答後は、各自がYESかNOを選んだ理由を話し合う。
クロスロードは、阪神・淡路大震災で災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューをもとに、実際に震災で問題となったさまざまな「災害対応のジレンマ」の事例などをカードゲーム化したもの。矢守克也氏(京都大学防災研究所教授)、吉川肇子氏(慶應義塾大学教授)、網代剛氏(ゲームデザイナー)によって開発された。「クロスロード」は「分岐点(岐路)」の意味。現在では、「市民編」「災害ボランティア編」などさまざまなバリエーションがある。
矢守氏は、ゲーム開発の目的について「実際の被災地では正解がない難問が流出する。その時々で意見の対立が起きてしまうが、あらかじめゲームを通じて多様な意見があることを知っておけば、その時、その場でみんなで正解をつくり出す力が養える」と話している。
*「クロスロード」は、チーム・クロスロードの著作物で、登録商標です。「クロスロード」:商願番号2004-83439(第28類)「CROSSROAD」:同2004-83440(第28類)。商品化されている「神戸編・一般編」「市民編」「災害ボラ編」をご利用の場合は、京大生協ブックセンタールネよりご購入ください。その他利用方法については、下記にてご確認ください。 連絡先:慶應義塾大学商学部 吉川肇子研究室内 クロスロード・サポーター事務局 Fax : 03-5427-1578 e-mail : crossroadusers@gmail.com
C+Bousai vol2の他の記事
おすすめ記事
-
DXを加速するには正しいブレーキが必要だ
2月1日~3月18日は「サイバーセキュリティ月間」。ここでは、企業に押し寄せているデジタルトランスフォーメーション(DX)の波から、セキュリティーのトレンドを考えます。DX 時代のセキュリティーには何が求められるのか、組織はどう対応していくべきか。マクニカ ネットワークスカンパニー バイスプレジデントの星野喬氏に聞きました。
2025/03/09
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2025/03/05
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/03/04
-
-
-
トヨタが変えた避難所の物資物流ラストワンマイルはこうして解消した!
能登半島地震では、発災直後から国のプッシュ型による物資支援が開始された。しかし、物資が届いても、その仕分け作業や避難所への発送作業で混乱が生じ、被災者に物資が届くまで時間を要した自治体もある。いわゆる「ラストワンマイル問題」である。こうした中、最大震度7を記録した志賀町では、トヨタ自動車の支援により、避難所への物資支援体制が一気に改善された。トヨタ自動車から現場に投入された人材はわずか5人。日頃から工場などで行っている生産活動の効率化の仕組みを取り入れたことで、物資で溢れかえっていた配送拠点が一変した。
2025/02/22
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
-
能登半島地震の対応を振り返る~機能したことは何か、課題はどこにあったのか?~
地震で崩落した山の斜面(2024年1月 穴水町)能登半島地震の発生から1年、被災した自治体では、一連の災害対応の検証作業が始まっている。石川県で災害対応の中核を担った飯田重則危機管理監に、改めて発災当初の判断や組織運営の実態を振り返ってもらった。
2025/02/20
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方