クロスロードは、難しい決断に迫られる災害対応を模擬体験することで防災力を高めるためのゲーム。「3000人いる避難所で、2000食を確保した。この食料を配るか配らないか」など、正解がなく、どちらを選んでも何らかの犠牲を払わなくてはいけないようなジレンマに対して、自らの意志をYES(配る)かNo(配らない)のいずれかで決断する。災害対応を自らの問題として考え、自分と異なる意見・価値観の存在への気付き、その意見を共有することができるようすることが目的。回答後は、各自がYESかNOを選んだ理由を話し合う。

クロスロードは、阪神・淡路大震災で災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューをもとに、実際に震災で問題となったさまざまな「災害対応のジレンマ」の事例などをカードゲーム化したもの。矢守克也氏(京都大学防災研究所教授)、吉川肇子氏(慶應義塾大学教授)、網代剛氏(ゲームデザイナー)によって開発された。「クロスロード」は「分岐点(岐路)」の意味。現在では、「市民編」「災害ボランティア編」などさまざまなバリエーションがある。

矢守氏は、ゲーム開発の目的について「実際の被災地では正解がない難問が流出する。その時々で意見の対立が起きてしまうが、あらかじめゲームを通じて多様な意見があることを知っておけば、その時、その場でみんなで正解をつくり出す力が養える」と話している。

*「クロスロード」は、チーム・クロスロードの著作物で、登録商標です。「クロスロード」:商願番号2004-83439(第28類)「CROSSROAD」:同2004-83440(第28類)。商品化されている「神戸編・一般編」「市民編」「災害ボラ編」をご利用の場合は、京大生協ブックセンタールネよりご購入ください。その他利用方法については、下記にてご確認ください。 連絡先:慶應義塾大学商学部 吉川肇子研究室内 クロスロード・サポーター事務局 Fax : 03-5427-1578 e-mail : crossroadusers@gmail.com