組織の生産性を上げるエンタープライズ・リスクコミュニケーション
今、非財務情報開示が注目されている。岸田総理は1月17日施政方針演説で年内に非財務情報の開示ルールを策定するとした。また18日の「ダボス会議」では、中長期的な企業価値向上を進める企業に、より多くの資金が集まる仕組みを作っていくことが重要とし、人的資本投資など非財務投資に関する開示制度をつくっていくと演説した。
非財務情報のマネジメントは「守り」であるリスク管理の要素がある一方、中長期的な企業価値創造である「攻め」のコミュニケーション戦略における機会創出につながる。今回は非財務情報のコミュニケーション戦略の考え方について考察していきたい。
なぜ非財務情報が重要なのか
IIRC(国際統合報告委員会)が発表している世界50カ国、CEO41名、CFO177名を含む経営幹部を対象とする調査結果では、87%が非財務要素を経営判断に生かしている、もしくは積極的に生かそうとしていると回答し、96%が財務情報と非財務情報を統合することで、中長期的に良い経営判断につながると回答した。一方で、投資家やステークホルダーの求める非財務情報を提供できていると回答した経営層は24%で、多くの企業が非財務要素に対して課題を持っている。
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