2018/05/25
防災・危機管理ニュース
東京都は25日、第2回「東京都道路埋設物管理者会議」を開催。小池百合子知事のほか、都から水道局や下水道局など関連部局、民間から東京電力パワーグリッド、東京ガス、NTT東日本などが出席した。副題を「道路埋設物イノベーション会議」とし、無電柱化のコスト削減へ道路の掘り返しの抑制のほか、機器や管路の改善といった取り組みについて話し合われた。
都では3月に今年度から2027年度までの無電柱化計画を策定。整備コストの3分の1カットを掲げている。2017年には都道府県初の無電柱化推進条例を制定。都のほか、東電やNTTなど電線管理者も交えた低コスト技術検討会も発足。新材料の活用や浅層埋設の適用などを検討し、4月に無電柱化マニュアルの改定も行っている。
掘り返しの抑制については、都が管理する都道と国道において、都と企業などで構成する「東京都道路工事調整会議」で調整。例えば同一区間で電気・水道・ガスの3件の工事が重なっている場合は、1つの工事が終わった後に復旧せず別事業者が連続して工事するといった調整を実施。調整前に11カ月かかった工期が調整後は6カ月ですんだという。
また東電PGではFEP(波付硬質ポリエチレン)管など管路の新素材導入や、共同溝工事でマジックハンドを用い、掘削箇所を小さくした工事などコスト削減を報告。地上機器については現行の高さ1450mmから大幅に低くした800mmの機器を5月に2基設置。さらに変圧器や開閉器といった機能を分割しコンパクト化した複数の機器を置く方式も研究開発を進めている。NTT東日本では電線類を地中化するための共同溝として同社の既存のマンホールや管路を活用。目白通りの場合、従来よりも工期や工事費は約1割削減したという。
小池知事は「これからは具体的な整備箇所を示した実施計画を策定する段階に入っている」と説明。さらに「都民が歩きやすさやライフラインの安全を求める心、地上機器のコンパクト化など技術、法律や条例など促進のための制度。この3つが『心・技・体』であり、それぞれの分野があいまって無電柱化が進むようにしたい」と述べた。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
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