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□事例:三つの組織の戦略話

ビジネスは、同じ業種の中でも環境が絶えず変化しています。今回、三つの組織が未開拓の戦略的機会を確認し、それに適応するために、戦略リスクを管理するときに異なるアプローチを取りました。

A社は大手企業の子会社です。この会社は国内において、親会社や他の大手企業に対して人事関連のサービスを提供していますが、競争的地位が悪化し、業績の下降が見え始めています。この会社は、提供している技術資源が時代遅れで、顧客に対する効果的なサービス提供の足を引っ張っていることから、これを変えなければならないと決断しました。技術資源の代替案が実行されましたが、計画遅れで、予算もオーバーしています。A社が代替案の遅れに伴う業績悪化の合意が親会社と形成されようとするその時、親会社はA社の資産を処分して、B社に売却してしまいました。

そのB社は、A社買収による変革問題だけでなく、A社の最新の技術資源への移行問題にも直面しました。合併新会社の財務的成果はないに等しいもので、それは最近の経済状況のせいにされてしまったのです。B社の取締役会は「自社の市場占有率はA社買収にもかかわらず低下し始めている」と表明しました。

C社は、コロナ禍で生じつつあった環境変化を明らかにし、評価して反応し、その影響と業界内での自社の位置づけに対する影響を評価することで、戦略的に自社の地位を位置づけていました。代替的なシナリオに基づいて、戦略的な機会とリスクを評価した後に、現状のサービス提供をいったん継続するものの、顧客からのそれに対する需要は景気後退により減少するであろうとの結論を下します。また顧客が予算と従業員を削減することに対応して、無駄を削減し低コストの別のサポート需要に対する顕著な需要が生じることも予測したのでした。それに伴い、C社は自社の資源を顧客の変化するニーズに合わせて再配分しました。

A社は景気後退の注意警告を見誤り、競争優位性が低くなってしまった技術資源の代替案に本気で取り組むことを怠っていたとみなされ、売却されてしいました。不確実ではありましたが、技術更新について本気で取り組み。親会社とその合意を取れていたなら、A社の売上を伸ばすことができた戦略的機会になっていたかもしれません。

B社は、本質的に変化する経済および事業環境の中で、戦略シナリオを十分に検討することなく、買収・合併戦略を実行してしまいました。

C社は十分な戦略計画を策定するのに加え、戦略的リスク管理を実施して、環境変化の中で適応していきました。