2021年2月21日に足利市西宮町の両崖山(251メートル)で発生した山林火災は、発生から1週間の28日まで、約106ヘクタール(推定延焼範囲)を焼いて、「鎮圧」となったが、鎮圧から完全な鎮火まではさらに数日かかる見通しであることを足利市が発表した。
21日の発生から1週間で、自衛隊ヘリコプター2機と栃木県、埼玉県、東京都、横浜市などの消防防災ヘリコプター6機が消火バケットによる散水は、足利市内の松田川ダムや渡良瀬川を水源に計693回、1675トンに上った。消火活動人員は消防関係者約1300人、自衛隊約600人を動員した。23日はヘリコプターが飛べないほど風が強まり、さらに延焼拡大してしまう。
2月24日の足利市長の会見に同席した池沢昭副市長は、「火元と思われる、両崖山山頂付近のハイキングコースにある休憩所のベンチが黒焦げとなり、火が周囲に燃え広がっているのを消防隊員が確認したと明らかにした。ハイカーによる火の不始末など人為的な原因で火災が起きた可能性がある」と述べていた。
27日は未明まで風速約17メートル/秒の強い風が吹く中、足利市消防本部と同市消防団の消防車両計25台、約90人態勢で4方面に分かれて消火活動や延焼防止を行った。
28日、足利市消防本部によると周辺民家への延焼防止のため設定した6つの「防火帯」のうち本城、今福、月谷、西宮の4カ所についてはすでに残火処理に入ったが、場所によっては木の内側部分が炭状になってくすぶっていることもあり、再燃防止のため、木の根や落ち葉が堆積した地面を掘り起こして水をかけたり、踏み消したりと人海戦術で残火警備を行うなど、近隣消防局・本部からの応援要員を1.5倍の150人に増強し、残火処理を本格的に進めながら鎮火を目指している。
宇都宮地方気象台によると、28日以降も風は穏やかで、3月2日は50ミリ程度降った雨は収束の雨となった。
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