2021/02/11
アンケート結果から見直す防災とBCP
今回から何回かにわたり、リスク対策.comが行った地震シミュレーションアンケートの結果を振り返ります。それぞれの質問に対して、自社の取り組みがどの程度あてはまるか、ぜひ改めて組織内で考え、現状の対策を見直してみてください。この連載が終わる頃には、きっと自分たちの防災やBCPのレベルが向上しているはずです!
なお、アンケートは兵庫県立大学教授の木村玲欧氏(防災心理学、危機管理学)との共同事業で実施し、木村先生にはアンケートの監修とともに、各回にコメントをいただきました。
【質問1】
建物全体が突然、突き上げるような強い揺れに襲われました。本棚やコピー機がガタガタと揺れ始めています。あなたの組織では、平時から什器類の転倒・移動・落下対策が徹底できていると思いますか?
下記の1~5の中から、最も該当する番号をお選びください。
①全くそう思わない
②あまりそう思わない
③半々
④そう思う
⑤強くそう思う
さて、どうでしょう?
ちなみに、リスク対策.comが行ったアンケート(有効回答数572)の平均値は3.52でした。全体の質問の中だと6番目に高い点数です。
什器の対策は、什器が壊れないようにするだけだとは思っていませんか? 什器が壊れるだけでなく、什器によって従業員がケガをしたり、什器がないことによってその後の業務に大きな支障が出ることが過去の災害でも多発しています。什器対策は、物理的な被害対策と、業務への影響の対策の両面を考える必要があります。什器そのものをしっかり守り、従業員の命を守ることが一番ですが、その什器が使えなくなったときに、災害対応にどのような支障が起きるかということを想像してみることが大切です。
さて、この質問を読んだとき、皆さんは事務所内を見渡し、あるいは思い浮かべ、本棚は固定されているか、コピー機は固定されているか、大きなロッカーは固定されているか、などを考えた上で回答していただけたことでしょう。
しかし、こんな写真の光景を思い起こした人はいるでしょうか(次ページ)?
アンケート結果から見直す防災とBCPの他の記事
おすすめ記事
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/17
-
-
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/12/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方