(出典:Shutterstock)

かつて紙媒体の『リスク対策.com』での連載記事で、再保険ブローカーのAon Benfieldが発表した報告書『2015 Annual Global Climate and Catastrophe Report』を紹介させていただいた(注1)。これは1年間に発生した自然災害の被害規模や発生状況のトレンドなどをまとめたもので、特に経済的損失に関するデータが豊富に掲載されている。

会社の組織改編に伴って、現在はこの報告書は世界最大級の保険・再保険ブローカーであるAonから発表されている(注2)。今回はこの報告書の2020年版を紹介させていただきたいと思う。

まず本報告書では、少なくとも次のいずれかに該当するものが「自然災害(natural disaster)」と定義されている。

・経済被害が5,000万米ドル以上
・保険金支払額が2,500万米ドル以上
・死者が10人以上
・負傷者が50人以上
・住宅や建造物の被害が2,000件以上

2020年にはこの定義に該当する自然災害が少なくとも416件あり、そのうち130件がアジア太平洋地域で発生しているとのことである。