南海トラフ地震により甚大な被害が予想されている高知県。もともと財政事情が厳しい上に、東日本大震災後には、想像を絶するようなけた外れの津波被害想定が突き付けられ、県外からの移住や企業誘致などによる成長戦略は厳しさを増した。苦肉の策として打ち出したのは、防災力を高めるとともに、防災力を「ウリ」にして、地域経済を活性化させるという、国土強靭化と地方創生戦略を一体化させたような独自の施策だ。被災リスクを逆手に取り、防災に役立つさまざまな製品・技術の開発から販売までを県が支援し、産業活性化に結び付ける。さらに県内企業は、無料でBCP(事業継続計画)の策定支援を受けることができ、それが企業のブランド力を高める。

東日本大震災で被災した東北地方沿岸部の多くの市町村は、これまでも過疎化などにより少子高齢化が進んでいた地域だ。被災により多くの尊い命が奪われただけでなく、その後も見通しのつかない復興や自らの生活に不安を募らせ、町を去る人が後を絶たない。そんな地域を存続させるには、再び街を襲うかもしれない津波災害などへの防災力の強化と、地域活性化の一体的な戦略が不可欠である。

東日本大震災による被災の有無を除けば、全国の多くの地方都市が同じ問題に直面していると言ってもいい。高知に学べることは何か!?

これが高知の防災力だ!
市町村財政負担実質ゼロで避難路など整備

県内企業のBCP策定を急げ!
東京海上日動がBCP策定を無料支援

防災関連産業で経済活性化
1年間で販売額17倍に拡大

堤防液状化補強対策 
インプラント堤防 産官学の取り組み

机1つの容積で毛布600枚
株式会社フロムハート

プラスチックで 避難階段
シェルターステップほか株式会社西宮産業

高知から世界を支え、地元を守る
ニッポン高度紙工業株式会社

津波34mの町が作る防災缶詰
黒潮町缶詰製作所

国土強靭化と地方創生の両立 
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