総務省は感染症対策について調査し、厚労省に勧告を行った

総務省は15日、「感染症対策に関する行政評価・監視」について発表した。同省が厚生労働省、総務省(消防庁)、国土交通省、防衛省、16都道府県、15市区町村、医療機関や関係団体を調査。入国時の検疫や診療体制、搬送の問題点を、総務大臣から所轄する厚生労働大臣へ勧告を行った。調査は2016年8~11月にかけて行われた。

エボラ出血熱流行国に滞在歴があったり、MERS(中東呼吸器症候群)流行国でラクダと濃厚接触があったりする者は入国時に申告し、健康監視の対象になる。しかしエボラでは申告が必要と知らず入国し、別の空港から入国した同僚からの情報により発覚したケースが1事例2人あった。MERSでも申告せずに入国し、指定医療機関に直接行ったケースが7事例7人あった。また健康監視になっても健康状態の報告が遅延や中断するケースがエボラで56.1%、MERSで66.6%あったという。

総務省は調査結果を受け、入国審査と連携し、感染所流行国への渡航歴確認の必要性の周知徹底や、検疫官が確実に確認するための方策を早急に検討する、罰則適用も含め、健康監視対象者が報告を守ることの徹底を厚労省に勧告した。

診療体制については44指定医療機関のうち、22.7%が指定病床数通り受け入れられない、常勤の感染症専門医が配置されているのが半数の55%にとどまることなどを指摘。実態を把握し、改善や必要に応じて制度の枠組みや指定基準を見直すよう勧告した。さらに搬送手段の点検や改善、検疫所での訓練などを呼びかけている。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介