相手に負担のない要請 
被災時における県の協定の履行の流れは、まず、災害発生時に県から民間事業者に対して、支援要請の可能性があることを伝える。次に、市町村から必要な支援をすべて汲み上げるとともに、県への要請内容を明確にする。県はそれを受けて民間事業者に供給可能量などを聞き、市町村ニーズに応じて発注することになる。

協定履行のポイントについて明間氏は、県の協定は、市町村の支援を目的としたものだが、協定を履行する際にも、基礎自治体の負担がなるべく少なくて済むように、要請の聞き方を工夫するなど配慮が必要と説く。 「例えば、初動時には、市町村に対して県への支援内容を聞く際、何がほしいと聞くのではなく、県の方で用意できるものはこういう物だ、この中で必要なものあるか、などという聞き方の方が市町村の負担が少ないと考えられる」(同)。 

協定の運用においては、いかに企業から要請を受け入れやすくするかという「受援」の配慮と、いかに相手にとって負担が少なく支援ができるかという「授援」の配慮の双方が求められる。