2017/08/17
講演録
東日本大震災とタイ洪水が同年に
当社は昨年、60周年を迎えました。連結子会社も含め従業員は世界で約2万2000人。国内で4000人の従業員を抱えています。
それでは弊社のマネジメントの現状についてお話してまいります。2011年の東日本大震災の際、私たちの宮城の拠点は震度6弱に見舞われました。私たちのBCPでは災害から3日で復旧、5日で納品を目標にしておりましたが、地域一帯にインフラ、中でも電気にダメージが大きく、取引先も津波や原発事故でいろいろ被害を被っていました。1社の津波対応において、私共も復旧を支援した経緯がございます。その当時、計画を模造紙で作りまして、そこに手書きで実績内容を書き入れていくという流れでした。今も部署の壁に貼ってありますが、毎年訓練のときにも、この様な手書きのものを準備しています。停電になると電子ツールは使えないので、このようなアナログな道具をあえて使っています。
この年度は震災の後始末も済まない内に、タイのアユタヤで洪水被害が起きました。2011年9月30日に、現地災害情報が専用メールアドレスから発信されました。その後、日々水害がひどくなり工業団地にも入ることができないない所が出てきました。地震であれば、震度5強で管理職、6弱で全員が自動で集まる本部体制を作っていたのですが、水害はあっという間に影響が広がり、時間ばかりが過ぎてしまいました。結果的には9日たって、やっと災害対策本部もできました。後手後手に回ってしまったことが、一番の大きな反省です。
講演録の他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方