意外に知られていないピクトグラムの誤認!
「落とし穴」と思われる広域避難場所のマーク
藤代 洋行
ピクトグラムアーティスト、甲種防火・防災管理者、防災士。ピクトグラムアートは世界初! 知的財産権(著作権・動き商標・商標)+知的財産権保護(著作権・確定日付)を取得しています。「動き商標」と「商標」をベースにしたデジタルアート作品です。伊勢屋グループの代表(Pictogram Art、手話指文字・点字アート、Origami Art、障害者コンサルタントコズミック、SOHOしあわせのハコ)
2020/04/17
防災とピクトグラム
藤代 洋行
ピクトグラムアーティスト、甲種防火・防災管理者、防災士。ピクトグラムアートは世界初! 知的財産権(著作権・動き商標・商標)+知的財産権保護(著作権・確定日付)を取得しています。「動き商標」と「商標」をベースにしたデジタルアート作品です。伊勢屋グループの代表(Pictogram Art、手話指文字・点字アート、Origami Art、障害者コンサルタントコズミック、SOHOしあわせのハコ)
普段何気なく目にしているピクトグラム。意外と間違った意味で覚えているかもしれません。前半は、間違えがちなピクトグラム。後半は、時代や必要に応じてピクトグラムが追加された事例を紹介していきます。
ピクトグラムのデメリットは、イメージでしか意思疎通が図れないことです。中には見ても分かりにくいピクトグラムもありますし、もしかして見て全く違うことを連想させているピクトグラムがあるかもしれません。
JIS Z8210 案内用図記号の中から、いくつかピックアップしてみましょう。
https://www.mlit.go.jp/common/001315215.pdf
1. 視覚記号(サイン)を見ても分からない。または本来の意味とは異なる認識をしている
・広域避難場所
安全色で黄色が「注意」と知らない人は、落とし穴注意、マンホール注意と間違えることもある。
2. 視覚記号は見て分かるが、何を伝えたいのか分からない
・ミーティングポイント(待ち合わせ場所)
握手、あいさつと間違えることもある。
3. 視覚記号は見て分かるが、どこまで範囲なのか分からない
・障害のある人が使える設備=身障者用設備
車いす専用トイレと間違えることもある。
・電子機器使用禁止
パソコン禁止と間違えることもある。
4. 視覚記号は見て分かるが、向きの誤認
・左側にお立ちください、右側にお立ちください
右側にお立ちください、左側にお立ちください、と逆方向から認識することもある。
5. 視覚記号は見て分かるが、文化の違い
・レストラン
箸で食べる国、手で食べる国がある。文化や習慣が違えば考え方も違う。
例えば、津波注意や広域避難場所のような具体性に欠いた視覚記号はどうしても分かりにくいです。視覚記号には、情報を凝縮し的確に意味を伝えなくてはなりません。
ピクトグラムは文字を使わなくても、見て直感的に情報を伝えられる視覚記号なので、伝えたい意味以外を連想させるような不必要な表現は避けるべきです。反対に表現が足りなければ、文字や音声などで欠点を補わなければなりません。
次は、JIS規格のピクトグラムが間違えやすいので法律で改正された事例です。2017年7月20日、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本人だけでなく外国人観光客にもより分かりやすい案内用図記号とするため、JIS Z8210 案内用図記号を改正しました。
経済産業省 産業技術環境局 国際標準課 案内用図記号のJIS改正
https://www.meti.go.jp/press/2017/07/20170720002/20170720002-2.pdf
外国人の中には、温泉記号の湯気を料理の湯気と思ってしまい、温泉記号を温かい料理などと間違える人がいます。他にも間違えやすいJIS規格7種類(温泉含む)の記号がISO規格に合わせて変更されています。
おすすめ記事
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方