近年のサイバーテロ攻撃による情報漏えい被害の増加から、情報セキュリティ対策を重視する企業や地方自治体が増加しているようだ

矢野経済研究所は18日、IT 事業者、通信事業者、セキュリティソフトウェアメーカーなど危機管理ソリューション提供事業者を対象に実施した、国内の危機管理ソリューション市場に関する調査結果を発表した。それによると、2016年度の国内の危機管理ソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比5.8%増の8967億円の見込み。また2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、サイバーテロ攻撃対策強化がさらに進むと予測している。

同所によると、2016年に発生した熊本地震の影響により過去に策定したBCP(事業継続計画)を見直す動きが増加し、DR(災害対策)ソリューション市場ではクラウド型サービスの利用が拡大し導入企業の裾野が拡大したという。防災ソリューション市場では、政府、地方自治体ともに、導入済みの各システムの高度化、高機能化を継続的に進め、情報セキュリティソリューション市場では、サイバーテロ攻撃への情報セキュリティ対策の導入を促進する機運が高まったとのことだ。

2017年度以降は、時間の経過に伴い災害に対する危機意識が薄れていくことや、主だった企業が対策を完了済みであること、またクラウド型サービスの登場によりサービス単価が下落していることなどから、市場の伸び率は鈍化していく見通しという。

情報セキュリティソリューション市場では、近年のサイバーテロ攻撃による情報漏えい被害の増加から、情報セキュリティ対策を重視する企業や地方自治体が増加していて、「2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、情報セキュリティ対策の強化への取り組みがますます加速されていくと推測する」(同所)。国内の危機管理ソリューション市場規模(事業者売上高ベース)は、2015年度から2021年度まで年平均成長率3.9%で推移し、2021年度に1兆632億円に達すると予測している。

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