総務省は13日、「熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果」を発表した。調査は三菱総合研究所に委託。2016年の熊本地震で震度6強以上あった熊本県熊本市、益城町、宇城市、西原村、南阿蘇村で実施。被災居住者862件のアンケートでは、2011年の東日本大震災後にリリースされた比較的新しい通信ツールであるLINEの活用が約4割と目立った。
情報収集に利用した手段と時点別の比較では、テレビの地上波放送が発災時は約40%の利用だが、2016年5月16日の本震発生から数日間の応急対応期は約45%、応急対応期から同年5月末までの復旧期が約55%と徐々に上昇。行政機関ホームページは発災時が約10%にとどまるが、応急対応期や復旧期は約20%にまで上昇した。家族・友人・知人等とのLINEはどの時期もほぼ40%で、安定して利用された。家族・友人・知人等のフェイスブックは10%前後、行政機関のフェイスブックやツイッター、家族・友人・知人等のツイッターは約5%にとどまっている。携帯電話の利用は約70%。
日常の端末利用ではスマートフォンは利用率73.4%。地上波受信のテレビが74.7%と高い。スマホ利用者ではLINEでの家族・友人・知人等からの情報収集を約50%が行っている。
BCP(事業継続計画)について、データバックアップは自治体と企業が100%、病院・介護施設が84.6%、その他が59.3%と高い割合で行われていた。一方で災害時に効果の高いクラウド利用に関しては回答した61件のうち「あり」36.1%に対し、「なし」が63.9%。「なし」の回答では費用やセキュリティへの懸念を示す回答がみられた。業務継続マニュアルについては明文化していないものも含め病院・介護施設は100%、企業は82.6%、自治体は85.7%だが、農漁協商工会は50%にとどまる。
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http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000108.html
(了)
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