長周期地震動は特にビル関係者にとって重要な情報となる

気象庁は高層ビルの揺れに大きな影響を与える長周期地震動の予測情報について、ビル管理者やテナントなどそれぞれの立場から求めるニーズへの対応を強化する。長周期地震動に関する情報検討会に「多様なニーズに対応する予測情報検討ワーキンググループ(WG)」を設置。15日に第1回会合を開催した。民間予報事業者を活用し、多様なニーズに応えることを目指す。

気象庁は長周期地震動について階級3~4については緊急地震速報に含めて発信する方針を固め、2018年度以降に運用を開始する。ただし長周期地震動は地震計から推定するもので、高層ビルの規模によっても揺れが異なるほか、デベロッパーやビル管理者、テナントはエレベーター制御や従業員・作業員の安全確保へ早く詳細な情報が必要となる。

多様なニーズに対応するため、気象庁は震源や震度のほか、長周期地震動の階級情報も予報事業者に提供。予報事業者が精査したうえで、デベロッパーやビル管理者、テナントといった長周期地震動に関する情報を求める相手に提供できるよう、検討を進めていく。

15日は学識経験者のほか不動産業界から三菱地所と森ビル、ゼネコンから鹿島建設、清水建設、大成建設に加え、設計会社の日建設計からも関係者が出席した。2018年度の秋ごろをめどに報告書をまとめる方針。

■関連記事「長周期地震動を緊急地震速報対象に」
http://www.risktaisaku.com/articles/-/2416

(了)