アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
避難した子どもたちが「菌」と呼ばれて不登校にという報道が続いています。福島のこと、差別のこと、全国で起きているであろうことに心を痛めている方も多いのではないかと思います。
■「菌」「賠償金あるだろ」原発避難先でいじめ 生徒手記
(朝日新聞デジタル/2016年11月16日)
http://www.asahi.com/articles/ASJCH5GJYJCHULOB02P.html
■原発事故避難の児童 担任が名前に“菌”つけて呼ぶ
(NHK NEWS WEB/2016年11月2日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161202/k10010793101000.html?utm_int=detail_contents_news-related-auto_001
なぜ起きたのか、何が問題なのかについてはすでにいくつか語られているところですので、ここではこんな事態を防ぐために、いますぐ実践できるひとつの方法について書きたいと思います。
そして、これは、最近、目にする大学生などの性犯罪と実は根源が同じでは?という問題提起でもあります。重たい話題ですが、おつきあいいただければと思います。
なぜニックネームは自分ではなく相手が付けるのか?
防災・減災のワークショップやアイスブレイクとして、「呼ばれたい名前で自己紹介する」ことを実施しています。ダイバーシティやハラスメント対策をしっかり取り入れている企業人のみなさまであれば、1度は体験したことがあるかもしれません。
具体的には、自己紹介の時に「呼ばれたい名前」を本人に決めてもらい、相手はそれを尊重するという、とてもシンプルなアイスブレイクです。
保育士さんの研修の際、こんな方がいました。男性保育士さんが最近は大勢いらっしゃいます。「今日、呼ばれたら幸せになる名前をつけてみてください」と言うと「今日は是非、イケメンくんと呼んで欲しい」とおっしゃっていました!
呼ばれたいお名前の由来と一緒に自己紹介していただくのですが、「イケメンくん」は「見てのとおりです!」とおっしゃって、あっという間に多くの方とうち解けていました。
地震の話を怖がっていると言われていたお子さんは、アニメの主人公の名前で呼ばれる事で、勇気づけられているのがわかりました。
学校でいじめられているというお子さんで、「寿限無」なみの長い名前をつけたお子さんがいました。まわりの子が「覚えられない〜」と笑いながらも一生懸命にその子が呼ばれたい名前を呼んでくれるので、楽しそうに話し合いに参加してくれました。
そもそも、なぜニックネームは自分ではなく相手が命名してしまうのでしょう?例えば転校生であった場合、力関係は在校生が強く、転校生は弱くなりがちです。自分がこう呼ばれたいというのを転校生のほうから主張するのは難しいです。大人が主導して、本人が呼ばれて安全安心だと思われる名前を、本人自身に提案してもらうこと、そして、その名前を、先生を含め、生徒全員で尊重すること、それを最初に実行していただければと思うのです。
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