国際規格をめぐり、中国の猛烈な巻き返しが行われている

11月27日、米国のトランプ大統領が香港の民主派運動を擁護する「香港人権・民主主義法案」に署名したというニュースが飛び込んできました。

当然ではありますが、中国政府は即座に反発し、中国外務省は28日、「極めていまわしい、まさに邪悪な意図を抱いた」もので「あからさまな覇権行為だ」と非難する声明を発表したようです。最近にはなかったほどの非常にきな臭い状況だと言わざるを得ないのではないでしょうか。

実は、元々中国には中華思想というものが存在し、世界の中心が「中国」であると考えられてきました。しかし、歴史を通して西欧国家からの侵略を受けたり不平等な条件をつけられた条約を結ばされたりなどに対して苦々しく感じてきていたのです。それが、昨今の経済発展による中国の大国化が実現したことで、「そろそろ頭をもたげてもいいだろう」と中国政府がいわゆる「覇権」的な言動をし始めたところから潮目が変わり、ソ連と米国の二大国家による冷戦に代わる、新たな次元の二大国家の覇権争いが始まったともいえる状況にあります。

そこで、今回は中国がどのような形で再度世界の中心となろうとしているかについてお話しましょう。