中米経済摩擦の狭間と国際規格
西欧文明と中華文明の覇権争い
上海清環環保科技有限公司(STECO)/
総経理
江頭 利将
江頭 利将
1965年7月 佐賀県生まれ。早稲田大学理工学部電気工学科卒。海外生活・事業経験27年(米国1.5年、韓国3年、アルゼンチン6年、中国16年)。2003年より中国事業に取り組み、2008年より上海清環環保科技有限公司(STECO)総経理就任。同済国際緑色産業創新センター(TIGIIC)運営幹事、日資企業節能環保推進研究会(JASPEE)運営幹事、上海佐賀県人会副会長、上海稲門会幹事長を務め、日本の優れた環境・省エネの世界標準化を目指すと同時に、海外進出済みの日系企業現地事業所の環境・省エネ対策サポートに取り組んでいる。机上の空論ではない実業経験を活かした実践的サポートが好評。
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11月27日、米国のトランプ大統領が香港の民主派運動を擁護する「香港人権・民主主義法案」に署名したというニュースが飛び込んできました。
当然ではありますが、中国政府は即座に反発し、中国外務省は28日、「極めていまわしい、まさに邪悪な意図を抱いた」もので「あからさまな覇権行為だ」と非難する声明を発表したようです。最近にはなかったほどの非常にきな臭い状況だと言わざるを得ないのではないでしょうか。
実は、元々中国には中華思想というものが存在し、世界の中心が「中国」であると考えられてきました。しかし、歴史を通して西欧国家からの侵略を受けたり不平等な条件をつけられた条約を結ばされたりなどに対して苦々しく感じてきていたのです。それが、昨今の経済発展による中国の大国化が実現したことで、「そろそろ頭をもたげてもいいだろう」と中国政府がいわゆる「覇権」的な言動をし始めたところから潮目が変わり、ソ連と米国の二大国家による冷戦に代わる、新たな次元の二大国家の覇権争いが始まったともいえる状況にあります。
そこで、今回は中国がどのような形で再度世界の中心となろうとしているかについてお話しましょう。
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