平副大臣は経済団体にボランティアへの協力を依頼したことを説明した

全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)や内閣府などによる「台風19号災害に関する全国情報共有会議【拡大版】」が29日、東京都千代田区の全国社会福祉協議会(全社協)で開催された。27日までに約7万2000人のボランティアが活動した他、14都県110市区町村でボランティアセンター(VC)が開設されたことなどが報告された。

台風19号とその後の台風21号の影響による低気圧被害により、全国で死者90人、行方不明者10人、住家は床上浸水3万3579棟、床下浸水3万6691棟といった被害が出ている(29日午前5時半現在、消防庁調べ)。災害ボランティアについては27日までに約7万2000人が活動し、家屋からの泥かきや物資の搬入などを行った。110のVCのうち最多は千葉県の18カ所、次いで福島県が16カ所、宮城県が13カ所。千葉県では台風15号で開設し、終了した後に復活したところもあったという。既に休止または終了したのは40カ所。

被災地における社会福祉協議会や行政などによる情報共有会議は宮城県、福島県、茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、長野県、静岡県で開催。長野市では行政やボランティア、市民、自衛隊が連携した災害ごみの移送も行われたという。課題として被害が広域なこともあり、ボランティアの不足や偏りもみられ、全社協ではホームページでボランティアの募集状況をVCごとに公表。特に協力が必要なVCには赤い二重丸が付けられている。

ボランティア団体からは「平日も含めた継続的な支援がほしい」といった意見も出された。内閣府で防災を担当する平将明副大臣は、「関係者の連携促進を進め、ボランティアが活動しやすい環境を作りたい」と述べた。また、24日に日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国中小企業団体連合会に対しボランティア活動のための有給休暇取得促進やボランティア休暇制度の整備・活用を依頼したことも説明した。

■ボランティア募集状況はこちら(全社協 被災地支援・災害ボランティア情報)
https://www.saigaivc.com/typhoon201919/

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介