2019/11/29
台風19号関連風水害対策特集
最悪9割浸水
台風19号では東京都内、とりわけ低地で荒川沿いの足立区、江東区、江戸川区、葛飾区、墨田区のいわゆる江東5区の被害が懸念された。大きな被害は出なかったものの、背後には広域避難を行うかどうかも含めたあわただしい動きがあった。表紙に「ここにいてはダメです」と書かれた水害ハザードマップを5月に配布し、ネットやマスコミで話題となった江戸川区の動きを取材した。
江戸川区が配布したハザードマップでは、区の陸域の7割が満潮時の水面より低いゼロメートル地帯であることや河川の水位が区内のほとんどの標高より高い位置にあること、荒川など河川氾濫や高潮で最悪9割、最高で水深10メートルの浸水がある可能性があることが示されている。垂直避難を行っても、上下水道や電気といったライフラインが使えない状態で、不衛生な中2週間以上生活しなければならない可能性も説明されている。さらには大水害で江東5区のほとんどが浸水することが書かれ、このエリアから出るいわゆる広域避難の必要性も触れられている。
ただし江戸川区のBCP(事業継続計画)は水害に特化したものは作成を検討中で、現在は2015年3月に策定した地震対応のものに準拠し、発災時の体制作りなどをしているという。
台風19号関連風水害対策特集の他の記事
- 都、計画運休時の出勤でルール作り
- 江戸川区、広域避難回避の背景と今後
- ボランティア7.2万人、地域偏在も
- 被災地・長野で住宅再建へ動く企業
- 台風19号の大惨事に思う「常に備えよ!」
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方