被害につけ込んだ悪徳商法は災害時に多発します。気をつけましょう

災害後には、災害に便乗した悪質な商法や、契約上のトラブルが発生する傾向にあります。会社としては、従業員の個人のこととはいえ、被災したうえに消費者トラブルを抱えることにならないよう、適切な啓蒙・啓発をしておきたいところです。消費者トラブルの防止は平常時からも必要なことですので、災害対策を契機として、ぜひ学びの場をつくることをお勧めします。

災害後に起きやすいものとしては「点検商法」「修繕詐欺」などが挙げられます。自宅の被害認定にはどうしても専門的知識が必要です。修繕費用の見積もりについてもそうです。これらに便乗し、適切な業務をせずに費用を請求したり、法外な金額を請求したり、ということが起きているのです。具体的には「業者に災 害 で壊れた屋根の修理を依頼したが、高額な代金を請求された。どのようにすればよいか」などの相談報告があります。

また、罹災証明書の被害認定は行政側がやってくれますので、もし罹災証明書の発行を理由に、行政の委託を受けているわけでもない民間の無関係の業者がアプローチしてきた場合は警戒しなければならないでしょう。常に自治体の窓口に確認するなどの慎重さが必要です。

不信に思うことがあれば、消費生活センターの「消費者ホットライン」(局番なしの「188」)などに連絡して相談することもできます。

また、住まいの再建の段階では、リフォームの訪問販売業者などがやってくることがあります。「自宅に訪ねてきて、屋根が壊れていると強引に修理を勧誘する業者がいる。どのようにすればよいか 」といった相談につながります。まずは、拙速な契約は避け、いったん「消費者ホットライン」や弁護士の無料相談窓口などに経緯を話してください。また、万一契約をしてしまっても、訪問販売や電話勧誘販売は、「特定商取引法」に基づき、法定の書面(不備のない正しい内容が記載された契約書面など)が適切に交付されてから8日間はクーリングオフ(契約解除)ができます。

住まいにかかわる金額の大きな契約や注文をする際には、特に弁護士の無料法律相談窓口や消費生活センターに相談しながら進めることをお勧めします。

(了)