第12回:「基本方針」の3つの要素と書き方
わかりやすいBCPはまず目次から
BCP策定/気候リスク管理アドバイザー、 文筆家
昆 正和
昆 正和
企業のBCP策定/気候リスク対応と対策に関するアドバイス、講演・執筆活動に従事。日本リスクコミュニケーション協会理事。著書に『今のままでは命と会社を守れない! あなたが作る等身大のBCP 』(日刊工業新聞社)、『リーダーのためのレジリエンス11の鉄則』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『山のリスクセンスを磨く本 遭難の最大の原因はアナタ自身 (ヤマケイ新書)』(山と渓谷社)など全14冊。趣味は登山と読書。・[筆者のnote] https://note.com/b76rmxiicg/・[連絡先] https://ssl.form-mailer.jp/fms/a74afc5f726983 (フォームメーラー)
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■アンバランスなBCPはなぜできてしまうのか?
基本的にBCPは法律で規定されている文書ではないので、「この様式を使わなければBCPとして認められない」ということはない。フォーマットや書式は自由なのだが、一定の基準というか必要条件を満たしていないと、BCPとして使いにくいことは否定できない。筆者はこれまで、さまざまな会社のBCPを拝見してきた。中には奮闘努力した軌跡が読み取れるとても立派なBCPなのに、次のようないくつか残念な点が目についたものもあった。
例えば「内容の重複」(似たような見出し名、似たような内容があちこちに散見される)、「文章の過多」(あまりに精緻かつ具体的に書こうとする余り、読むのに時間がかかり趣旨が不明)、「竜頭蛇尾」(冒頭からBCPの方針や被害想定の記述に多くのページを割いているが、後ろのページにいくにしたがって内容が少なく希薄になっていくパターン)、その他いろいろ…。一言で言えば、中身のバランスがよくないBCPが目立つのである。
これから順次BCPの記載要件と具体的な書き方について解説していくが、その前にまだBCPを策定していない会社もすでに策定した会社も、しっかり脳裏にとどめておきたい基本的なことについて触れておこう。それはBCPの「目次」である。目次ごときの話か、とばかにしてはいけない。目次の構成とそれぞれの意味を理解せずにガイドラインや指南書のひな型から見出しだけを拾い集めて組み立てると、上に述べたようなBCPができてしまうので注意しなくてはいけない。
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