これまで行ってきた防災活動は、消防団と連携した避難訓練や防災資機材の整備など。また、道路冠水を防ぐために、排水路の草刈りやゴミ拾いを行ってきた。

さて、笈ケ島が「地区防災計画」を策定する大きなきっかけとして、行政が主催する燕市防災リーダー養成講座への参加が挙げられる。2012年から始まったばかりだが、毎年全ての講座に参加し、防災について勉強させていただいている。今年度の内容は、『地域の防災マップづくりの手法』だった。講座修了後、受講生のフォローアップとして、講師から地域に入って御指導いただける機会があった。そこで防災マップづくりに取り組み、『地区防災計画の策定』がスタートした。

笈ケ島の地区防災計画の取り組みとして、今年度は防災マップ完成と全戸への配布、そして課題の解決策についての検討と目標設定を進める予定である。マップ作成時のワークショップでは、大雨が降ると冠水する地区などを白図に落とし込んでいく作業を行った。白図は2000 分の1のスケールで笈ケ島が中心になるように作っていただいた。地元中心の地図なので、参加者に分かりやすく、たくさんの意見が出た。今回は作業メンバーとして、経験豊富な知識を持った役員と若手の消防団から参加してもらうように工夫した。

マップ作成中に見えてきた笈ケ島の防災の課題として、笈ケ島自治会内の市指定避難所は、高校と保育園があるが、保育園は平屋で水害時には使用できないことが挙げられた。高校は市の洪水ハザードマップでは1・2階部分も浸水する想定で、使用できるのは3階部分のみである。全住民は収容できないのではないかという意見もあった。

そこで、地域内にある3階建ての老人保健施設と、隣の自治会にある一般企業に着目した。その企業には高層階に500人程度収容できる体育館がある。早速その企業と意見交換を開始し、隣の自治会長も含め、3者で協議を進めている。まだ結果は出ていないが、最終的には緊急避難場所の覚書を締結したいと考えている。

4車線の国道116号線が地区を分断しているため、いざ避難行動をする際に、的確な行動がとれるのかなどの課題も浮かび上がった。まだ明確な解決策は出ていないが、まずは地道に訓練を重ね、住民がスムーズに行動できるようにしていきたいと思う。分断した地域と避難情報が一緒になるよう周辺の自治会との連携も必要となる。広域的な取り組みとして、隣接する自治会と防災、防犯、消防について意見交換を開始したところである。

今後の予定は、まずマップを完成させ、集会所への掲示と全戸への配布を行う。各々の見やすいところに掲示し、活用できるようにしたいと思っている。
また、配布前には説明会を開催する予定である。