予算や人事など、消防組織が抱える課題は多い

課題解決へ多様な意見

「消防組織の7S」など、消防の現状と課題や将来の見通しについてグループワークを行った。

※組織見直しにつながる「消防組織の7S」は下記を参照。
■消防組織の7Sについて
https://www.risktaisaku.com/articles/-/15856

各消防本部において、これからの消防組織計画をどう作成するべきか? などの発表が続く中、課題として多く挙げられることや新しい提案は下記の通りである。

○市町村決算総額では、約3.3〜3.7%が消防費となっているが、過疎化など住民の減少で、消防費のうち、常備消防に支出される8割の確保が年々、困難になってきている。

○人口減少が止まらず、消防士のなり手も少ないことから、有料広告などを使って、県外からの募集も受けているが、特に地域に住むメリットや消防本部で働く魅力がないためか、受験希望者さえ見つけるのが困難。

○消防士の充足率がさらに減る見込み。消防職員数の現状維持が困難である組織状況下において、救急業務、予防業務、大規模災害の順で業務量の増加し、すでに多くの職員が疲弊している。既存の業務内容の大幅な見直しが必要。本当に必要な事務業務なのか精査する。また、消防職員でなければ行えない業務と消防職員でなくても行える業務を分けて、民間に委託するなども早急に検討が必要。

○業務量の増加に対し、資機材や人員の大幅な増加は難しい。必要のない資機材を必要のある消防本部に売ったりできるような、オンラインマッチングシステムがあれば、こちらの廃棄費用も浮いて、相手方消防本部の予算の合理化にもつながるのではないか。

○「消防師」という国家資格にし、採用枠があれば、どの都道府県・市町村でも、自由に働けるようにすると、現在所属している組織内で何か問題があったり、家族の転勤などがあった場合に選択肢が増えるのでは。

○兵庫県神戸市や奈良県生駒市のように消防職員の副職(公共性の高い社会貢献活動)を認めることで、消防職員の経済生活の維持、離職防止、社会貢献の機会増加を実現できる。

など、消防本部の規模や構成によってもさまざまである。


生駒市 副業解禁から1年 市外での活動も(出典:YouTube)