写真(写真AC)

「非常持ち出し袋? そんなものいらないよ」とバカにしていませんか?
緊急事態発生という、まさに待ったなしのときに持ち出す身の回りの必要な物入れの袋のことです。中身は命に関わるものだけを詰めます。命に関わらない、例えば爪切りなんて不要です。年齢、性別などによっても違います。男性には生理用品は要りません、逆に女性には髭剃りは要りません。また、 地震、 津波、 風水害、 原発事故など、災害の種類によっても必要になるものが違ってきます。そう考えると、たかが袋、されど袋という感じで侮れませんね。真剣に考える必要があるのではないでしょうか。

 

どんな袋がいいかなあ?

一般には、両手が使えるような背負い袋が良いですね。袋の材質は不燃性(火の粉が飛んできても燃えない)、耐水性(洪水のときその袋を背負えば浮き袋になり沈まない。体重80キログラムまで対応)で袋が浮き輪のような役割を果たすものなど、さまざまな市販品があります。体力に見合う重さ、大きさの物を用意しましょう。昼間、家族はそれぞれ違う場所で暮らしていますから、いざというときのために各自が別々の袋を用意するといいですね。できれば軽い方がいいですね。走っていて急にしゃがんだら中身がこぼれ出すような口の締まりが悪い袋は避けましょう。

こんなタイプのものも

「非常持ち出し袋を持っていないと避難所に入れない」

こんな規則が今にできるかもしれません。これは私の持論です。あちこちに言いふらして今後そうなるように努力している最中です。手ぶらで避難所に来て「飯はまだ届かんのか、遅いやないか。市役所はたるんどる!」などとブツブツいうのは時代遅れです。令和時代には通用しません。

持ち出し袋を持参するか否かは、 個人の自由意志で決めるものと思われがちですが、 実はそうとも言えません。熊本地震では、多くの市町村で避難所へ来る人々に対して「(できれば)飲料と食べ物を持参するように」という指示が出ていたのです。地震が頻発していたため、自分の家で寝起きするのを恐れた人たちが、安全を求めて避難所へ逃れてきて、行政が配る物資が追い付きませんでした。 もちろん飲食物だけでなく、毛布も同時に持参するようにと指示が出ました。

避難所へ行くにしろ、津波で高台へ逃げるにしろ、持ち出し袋は自助の出発点です。自分の命は他人任せにできない。自分で守るという意思表示でもあるのです。