2019/04/16
海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!

図1はCRO(Chier Risk Officer:最高リスク責任者)またはそれと同等の役職が任命されている組織の割合であり、また図2は経営者レベルでのリスク委員会が設置されている組織の割合である。これらも全体的に増加傾向にある。前述の「完全なERMが実施されている組織の割合」では増加傾向が見られなかった公開会社や金融業においても、これらの図においては増加傾向が見られるのが興味深い。また本報告書においては、非営利組織におけるこれらの伸び幅が他に比べて大きいことに注目されている。

図1、2は組織がいかに組織的にリスクマネジメントに取り組んでいるかを示すデータと言えよう。これらの数字が増加傾向にあることが、ERMの普及を進める素地となると考えられる。
本報告書の最後には、調査結果を踏まえて、組織の経営者がこれからのリスクマネジメントに取り組む上での重要な問題提起が記載されている。本報告書はあくまでも米国における調査結果であるが、日本企業にも通じる知見やヒントが含まれていると思われるので、ERMに関する問題意識をお持ちの方々には特にご一読をお勧めしたい。
■ 報告書本文の入手先(PDF41ページ/約3.5MB)
https://erm.ncsu.edu/az/erm/i/chan/library/2019_Current_Report_on_State_of_Risk_Oversight.pdf
(了)
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