栗田代表理事は行政やボランティア、NPO、企業の連携の重要性を語った

特定非営利活動法人・全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)は11日、賛助会員企業・団体向け勉強会・公開イベント「頻発する災害、被災地の社会課題に対する企業の対応を考える」を東京都千代田区のかがやきプラザで開催。最近の活動や会員企業からの報告などが行われた。

JVOADは正会員団体25団体と賛助会員団体14団体で構成。災害時は行政や企業、NPOなど支援団体、ボランティアなど関係者間の活動調整などを行っており、現地での情報共有会議でも中心的な役割を担っている。11日は2018年の大阪北部地震や平成30年7月豪雨の際の愛媛県、北海道胆振東部地震での情報共有会議について報告が行われた。大阪北部地震では破損した屋根にブルーシートを張れる技術を持ったボランティアの確保に苦労したという。

平常時は地域や関係者間の連携強化のほか、訓練や勉強会、フォーラムなどを実施している。代表理事の栗田暢之氏は2011年の東日本大震災の際の行政とボランティアやNPO、企業の連携の不足を指摘。平常時からの連携の取り組みが重要としたほか、「企業が賛助会員になるのは、被災地における社会課題への対応の面から意義がある」と説明した。

賛助会員であるセコム企画部の小松原康弘氏は、2016年の熊本地震における同社の被災地支援を紹介。体調悪化の懸念から仮設住宅群の集会所へのAED提供や孤独死の懸念から見守りサービス、長期避難者が続出したことから留守宅の多いエリア見守りなどの取り組みを行った。JVOADの賛助会員となることで、メーリングリストによる被災地の情報収集、被災地で開催される情報共有会議での説明の際にフォローを受けられることや、被災地支援を展開する主体とつないでもらえることなどを説明。さらに災害商品や災害企画の監修も依頼できるほか、災害関連のトピックスを学べる勉強会への参加も有意義だとした。

JVOADでは5月21~22日にかけて、東京都墨田区の国際ファッションセンター・KFCホールで「第4回 災害時の連携を考える全国フォーラム」を開催する。フォーラム参加費は2日間1万円、1日のみは7000円となっている。

■フォーラム詳細はこちら
http://jvoad.jp/forum/

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介