小池知事(前列中央)とモデル企業12社の代表者による記念撮影の様子

東京都は8日、「平成30年度東京都一斉帰宅抑制推進モデル企業」12社の認定式を新宿区の都庁で開催。小池百合子知事から12社の代表者に対し認定証が送られた。

都では2018年8~10月まで、災害が起こった際に救助活動の妨げや二次災害を起こしかねない一斉帰宅の抑制のため、備蓄など取り組みを行う企業を募集。49社が推進企業に選ばれ、その中から特に社会的影響や波及効果の大きい取り組みを行っている企業12社をモデル企業として2月22日に選定していた。

小池知事はあいさつで「おめでとうございますと言いますか、よろしくお願い申し上げます」と12社に感謝の意を表明。首都直下地震の際に517万人の帰宅困難者の発生が予想されることに触れ、「行政のみでは対処は難しく、自助と共助が重要。いざという時に一斉帰宅しないよう周知徹底と役割の確認を行っていただき、秩序を確保し困難を乗り越えてほしい」と述べ、災害対応のトップランナーたるモデル企業に努力・協力を呼びかけた。

写真を拡大 モデル企業12社とその取り組み(出典:東京都総務局ホームページ)

モデル企業のひとつであるディスコは通勤手当と住宅手当の見直しを行った。交通費がかからない方が得となるよう金額を一律にしたことで、帰宅困難者にならないために大田区大森の本社近くでの従業員居住を促した。その結果、本社から1km圏内に住む社員が約100人増加したという。さらに、従業員の自宅での水や食料の備蓄にインセンティブを与えることも、認定にあたり評価された。

ディスコのサポート本部総務部BCMチームリーダーの渋谷真弘氏は式後に取材に応じ、「手当の見直しや備蓄への補助は企業だからこそできることだと思う。今後も従業員への啓発のほかに、過去の考え方にとらわれずに取り組みを行っていく」と述べた。

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(了)

リスク対策.com:斯波 祐介