ビジネスにおけるレジリエンスをつくりだすための3つの単純な質問
リスクを識別して軽減することはビジネスに関わる全員の責任
ローラ トプリス
ニュージーランドの救急車サービスの事業継続コーディネーター。ISO 22301:2012に準拠したBCPを容易に作成できるオンライン事業継続計画テンプレート「BCP Builder」の開発者。
2019/01/30
ローラのBCP講座
ローラ トプリス
ニュージーランドの救急車サービスの事業継続コーディネーター。ISO 22301:2012に準拠したBCPを容易に作成できるオンライン事業継続計画テンプレート「BCP Builder」の開発者。
ビジネスのレジリエンスを開発することができますか?
私の兄は、長い歴史がある合気道という武道に取り組んでいます。
兄は、私に、先生とのやりとりを話してくれました。先生が本当に不満に思っていたのは、その稽古に参加している人が、誰も、ある防御の型が覚えられないことでした。 とうとう先生は大声で叫びました。「見て、これは単純だよ!でも簡単じゃないよ!」
ビジネスにおけるレジリエンスについても同じことが言えます。
そのコンセプトは実際、非常に単純です。
実のところ、私が思うに、それらは以下の3つの質問に集約することができます。
1.何か問題が生じる可能性がありますか?
2.事態が悪化するのを防ぐためにあなたに何ができますか?
3.事態が本当にこじれた場合、あなたはどうやって対処しますか?
これら3つの単純な質問の裏には多くの含蓄があります。答えを出すのは決して簡単ではありませんが、あなたのビジネスをレジリエントなものにしたいのなら、対峙しなければならないのです。
リスクを識別することは、レジリエンス増強のための最初のステップです。 それは、あなたのビジネスを中断しかねない事情があることをあなたが認めることです。
・あなたがビジネスで使用している場所が使用できなくなりそうな事情がありますか?
・供給チェーンを混乱させる可能性があるものは何でしょうか?
・社員の3分の1がインフルエンザで会社を休んだら業務はどうなりますか?
・システムがサイバー攻撃を受けた場合、どうなりますか?
・主力となっているチームメンバーの 1人が心臓発作に見舞われた場合はどうなりますか?
ローラのBCP講座の他の記事
おすすめ記事
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/17
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方