ワールド ファイアーファイターズ:世界の消防新事情
大災害時には消防組織も被災する!
災害救助の司令塔「消防本部」が備えるべきBCP
一般社団法人 日本防災教育訓練センター 代表理事/
一般社団法人 日本国際動物救命救急協会 代表理事
サニー カミヤ
サニー カミヤ
元福岡市消防局レスキュー隊小隊長。元国際緊急援助隊。元ニューヨーク州救急隊員。台風下の博多湾で起きた韓国籍貨物船事故で4名を救助し、内閣総理大臣表彰受賞。人命救助者数は1500名を超える。世田谷区防災士会理事。G4S 警備保障会社 セキュリティーコンサルタント、FCR株式会社 鉄道の人的災害対応顧問、株式会社レスキュープラス 上級災害対策指導官。防災コンサルタント、セミナー、講演会など日本全国で活躍中。特定非営利活動法人ジャパンハート国際緊急救援事業顧問、特定非営利活動法人ピースウィンズ合同レスキューチームアドバイザー。
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大規模災害が発生した際、被災者救助の最前線にいるのが、被災地域の自治体と消防組織だ。消防組織は、大きな災害に迅速に対応するため、大きい市は単独で、複数の市町村が組合をつくって「消防本部」を組織している。現在、各都道府県に10数~30余りの「消防本部」があり、全国では732拠点にのぼる。
この「消防本部」が、国や都道府県との連携関係を保ちながら、各自治体の消防署をまとめ、災害被災者の救助、災害状況の把握、災害復旧の戦略構築までを担う。「消防本部」はまさに災害救助の司令塔兼実行部隊ともいえる重要な役割をもっている。
ところが過去の大規模自然災害では、この「消防本部」自体が災害によって大きな被害を受けた。なかには職員とその家族の被災をはじめ、庁舎内外、車両、装備等が壊滅的な被害を受けたところもあり、その消防力を大きく落としながらも災害対応に当たらなければならなかった。
本来災害救助と復旧の拠点であるべき「消防本部」が、被災で機能しないということがあってはならない。こうした事態を最小限にするためには、消防本部が自らBCP(業務継続計画)を策定し、定期的に見直しながら運用訓練する必要がある。それによって、消防が被災するような大災害時にも最大限に消防力を維持し、適切かつ迅速に非常時優先業務を遂行しながら、継続的に住民のニーズにも応えることができる。
今回は、消防本部の消防業務継続計画(FD-BCP)策定について紹介したい。全国の消防本部職員はもちろん、企業や地域の防災担当者とも計画を共有し、連携のあり方を考えて頂きたい。
以下の動画は、米国フロリダ州タンパ市消防局の消防広報ビデオである。消防隊員の活動は、なかなか一般の方の目に触れることはない。実は平時でも災害時でも、すべてが119通報によって始まり、現場の流れも共通する部分が多い。この動画を観ながら、災害時に消防隊員がどのような動きをするか、イメージしてほしい。
Tampa Fire Rescue 2018(出典:YouTube)
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