2018/11/28
ニュープロダクツ

日本赤十字社は8月下旬から全国約1600の幼稚園・保育園に対し防災教材「ぼうさいまちがいさがし きけんはっけん!」を無償で配布している。地図上に危険箇所を記入する図上訓練の要素を取り入れ、幼児に災害時の危険をわかりやすく説明できるようにしている。
この教材は(1)導入(2)地震(3)避難(4)津波(5)風水害(6)雪害―の6種類の図を用意。場面を俯瞰した図を見せ、幼児たちに危険な箇所を指摘させる。一通り指摘をさせた後に、答えの図を隣に出し、比較させたうえで危険な場所や物などを学び、どういう行動をとればいいかを気づかせる。園児は教諭・保育士から単に教えられるだけでなく、ほかの園児と話しながら危険箇所を見つけ、どうすべきか考えることができる。
22日に東京都武蔵野市の武蔵野赤十字保育園で行われた同教材を使った授業では、避難の場面の図を使用。園児たちは地震の後に幼稚園から避難しないといけない様子を描いた図を見て、その中で煙が出ているところに戻ろうとする園児や、逃げようとしない園児、大人抜きで園外に出ようとする園児など危険性のある箇所を次々と指摘。その後に危険が実際に起こった答えの図と比較し、保育士から実際に地震があった際の注意点やとるべき行動を教わった。授業を行った保育士は「問題と設定されている箇所以外にも、園児たちは細かい危険な箇所に気づいている」と感想を述べた。同園では毎月避難訓練を行っており、真剣さが増してきているという。

日赤では2011年の東日本大震災以降、防災教育に注力。既に小・中・高校向けの教材は全国の約3万6000校に配布している。幼児向けの「きけんはっけん!」で全年代の子どもをカバーする。青少年赤十字に加盟する約1600園と全国都道府県支部に無償配布。ホームページからダウンロードも可能なほか、希望者には業者による有償販売も行っている。
■ダウンロードはこちらから
http://www.jrc.or.jp/activity/youth/prevention/
(了)
防災・危機管理関連の新製品ニュースリリースは以下のメールアドレスにお送りください。risk-t@shinkenpress.co.jp
リスク対策.com:斯波 祐介
ニュープロダクツの他の記事
おすすめ記事
-
-
現場対応を起点に従業員の自主性促すBCP
神戸から京都まで、2府1県で主要都市を結ぶ路線バスを運行する阪急バス。阪神・淡路大震災では、兵庫県芦屋市にある芦屋浜営業所で液状化が発生し、建物や車両も被害を受けた。路面状況が悪化している中、迂回しながら神戸市と西宮市を結ぶ路線を6日後の23日から再開。鉄道網が寸断し、地上輸送を担える交通機関はバスだけだった。それから30年を経て、運転手が自立した対応ができるように努めている。
2025/02/20
-
能登半島地震の対応を振り返る~機能したことは何か、課題はどこにあったのか?~
地震で崩落した山の斜面(2024年1月 穴水町)能登半島地震の発生から1年、被災した自治体では、一連の災害対応の検証作業が始まっている。今回、石川県で災害対応の中核を担った飯田重則危機管理監に、改めて発災当初の判断や組織運営の実態を振り返ってもらった。
2025/02/20
-
-
2度の大震災を乗り越えて生まれた防災文化
「ダンロップ」ブランドでタイヤ製造を手がける住友ゴム工業の本社と神戸工場は、兵庫県南部地震で経験のない揺れに襲われた。勤務中だった150人の従業員は全員無事に避難できたが、神戸工場が閉鎖に追い込まれる壊滅的な被害を受けた。30年の節目にあたる今年1月23日、同社は5年ぶりに阪神・淡路大震災の関連社内イベントを開催。次世代に経験と教訓を伝えた。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年「いま」に寄り添う <西宮市>
西宮震災記念碑公園では、犠牲者追悼之碑を前に手を合わせる人たちが続いていた。ときおり吹き付ける風と小雨の合間に青空が顔をのぞかせる寒空であっても、名前の刻まれた銘板を訪ねる人は、途切れることはなかった。
2025/02/19
-
阪神・淡路大震災30年語り継ぐ あの日
阪神・淡路大震災で、神戸市に次ぐ甚大な被害が発生した西宮市。1146人が亡くなり、6386人が負傷。6万棟以上の家屋が倒壊した。現在、兵庫県消防設備保守協会で事務局次長を務める長畑武司氏は、西宮市消防局に務め北夙川消防分署で小隊長として消火活動や救助活動に奔走したひとり。当時の経験と自衛消防組織に求めるものを聞いた。
2025/02/19
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/02/18
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方