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昆正和の気候クライシスとBCP
必然的に迫られるマルチハザード対応
BCP文書では、最初に「方針」や「目的」を決定したらむやみに変更しないことが暗黙の了解です。しかし気候変動を対象とする場合は、比較的短いスパンでその見直しに迫られるかもしれません。そればかりでなく「災害リスクと被害想定」や「適用範囲」にも変化が求められる可能性があります。地震対応BCPのようなわけにいかない理由を解説します。
2021/02/18
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感染症時代のリスクマネジメント
自然災害が発生すれば必ず複合災害になる
前回まで、3回にわたりウェブ会議について考えてきました。今回は、すでに策定しているBCP(事業継続計画)について、「ニューノーマル(新たな常態)」の観点から見直すべき点はないか、また見直す点があれば、どのような方向性を持って修正するかを説明します。
2021/02/17
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「組織と人を守る」活動をCSR視点で舵取り
危機管理やBCPは、不測の事態から組織と人を守るとともに、社会貢献を目指すものでもある。30社超の事業会社から成る物流サービスのSBSグループは、持株会社のSBSホールディングスを中心に、重点的に取り組む経営リスクとその対策をCSR 視点でコントロール。特色の違う企業の集団が一丸となってリスクマネジメントを推進し、業界全体の信頼向上に向かっていけるよう舵取りする。
2021/02/10
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感染症時代のリスクマネジメント
より重要になるファシリテーターの役割
ファシリテーターの役割は、一言で表現すると「会議の進行役」。前回はウェブ会議を効果的に活用するために留意するべき点を説明しましたが、今回はウェブ会議を円滑に進めるために欠かせないファシリテーターの役割と進行にあたっての留意点を解説します。
2021/02/03
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企業はいま何をすべきか
2度目の緊急事態宣言後も新型コロナの感染者数、重症者数は高い水準で推移。医療がひっ迫する一方で経済も疲弊、飲食業界を筆頭に影響が深刻化し、先の見えない状況に社会全体が不安を募らせています。いま企業はどう動いているのか、持つべき視点と取り組むべき対策は何か、国のコロナ対策は今後どうなるのか、アンケートとインタビューでひも解きます。
2021/02/01
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企業をむしばむリスクとその対策
ERM成功の秘訣
リスク管理部門を統括するA社取締役のBさんは、10年以上にわたるA社のERMの取り組みについて「一定の成果が出ている」と感じています。部門・部署が個別にリスク管理をしていた時代に比べて、「社内全てのリスクに対応する責任者が明確になり」「社内全てのリスク情報が共有化できていて」「社内全てのリスクマネジメント情報を一元的に把握できるようになった」ことを実感できています。しかしながらBさんは最近「わが社のリスクマネジメント活動の進むべき道筋はこれで本当にいいのだろうか?」という疑問も同時に持つようになりました。
2021/01/28
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感染症時代のリスクマネジメント
ファシリテーションの心得 リアルとの違い
新型コロナウイルス感染症の流行もあり、多くの企業でウェブ会議が利用されていますが、そこにはメリットとともにデメリットもあります。ウェブ会議を導入するのであれば、できる範囲でデメリットを解消しつつ、メリットを生かすことが求められます。今回は、ウェブ会議の効果的な活用方法を考えます。
2021/01/20
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感染症時代のリスクマネジメント
リアル会議の利点を生かす工夫で対話の質高める
感染防止対策の観点からウェブ会議システムが一般化し、多くの人が使うことで、メリットだけではなくデメリットも見えてきました。これからもウェブ会議を効果的に使い続けるためには、できる範囲でデメリットを解消し、メリットを生かすことが求められます。今回はウェブ会議の運用を考えます。
2021/01/06
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企業をむしばむリスクとその対策
コロナを恐れるか、受け入れるか?
12月に入り、新型コロナウイルスの検査陽性者数の増加が止まりません。「全国の感染者数が過去最多」「都内の曜日別感染者数が過去最多」「全国の重症者数○○人増えて、過去最多を更新」などと連日ニュースが報じ、「病床が逼迫してこのままでは医療崩壊が起こる」との声明が医師会らより発せられました。
2020/12/26
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感染症時代のリスクマネジメント
ペーパーレス化が進まない理由と段階的導入のポイント
テレワークがうまくいかなかった理由に「ペーパーレス化が進んでいなかったこと」をあげる企業が多くあります。ただ、そうした企業も、ペーパーレス化ができない原因を一つ一つつぶしていけば段階的な導入が可能なケースが少なくありません。今回は、テレワークを円滑に行う前提条件として、ペーパーレス化について考えます。
2020/12/16
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理想の会社へ 社員一丸でまわすリスクマネジメント
印刷会社の株式会社マルワ(名古屋市天白区)は、事業継続にかかるリスクをISO、ISMS、BCPなどの指標と 手法を使って洗い出し、解決に向けた取り組みの一つ一つをSDGsのゴールに照らしてセルフチェック、自社の目指す姿を達成するために必要なESG活動として毎年の経営計画に落とし込んでいます。それをまわしているのは、社員全員の実践と協力にほかなりません。
2020/12/11
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感染症時代のリスクマネジメント
IT理解度の差を前提にしたコミュニケーションが必要
テレワークの導入からある程度時間が経過し、導入前には想定しなかった課題が見えてきました。テレワークを取り入れた結果、新たな課題が発生しているのであれば、そのままにしておくわけにはいきません。今後テレワークが「ニューノーマル(新しい常態)」として定着すると想定されることから、新たな課題とその解決方法を考えます。
2020/12/02
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企業をむしばむリスクとその対策
テレワークの環境整備はどこまで会社が担う?
IT企業のA社では、新型コロナウイルスが国内で発生し始めた今年2月から、社員が在宅でのテレワークを行えるようにするための準備を開始。4月に緊急事態宣言が発生されるのと同時に、原則全社員のテレワークが始まりました。いざスタートしてみると、細かい課題はあるものの、総じて業務効率の向上につながっていました。しかしここ数カ月、A社では新しい課題が見えてきました。総務部長であるBさんのもとに、相談が多く寄せられるようになってきたのです。
2020/11/30
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感染症時代のリスクマネジメント
上司や同僚のいない環境で減少する対話量や身体活動量
テレワークの導入が拡大する一方で「労働時間を管理することが難しい」「成果を評価することが難しい」「仕事と仕事以外の切り分けができない」「長時間労働になりやすい」など、企業側からも従業員側からも労務管理の問題があげられています。今回はテレワークにおける労務管理について考えます。
2020/11/18
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感染症時代のリスクマネジメント
「メンバーシップ型」「ジョブ型」の二択とは限らない
企業は「働き方改革」や「人材確保」を目的に在宅勤務を核とするテレワークを取り入れてきましたが、新型コロナウイルスの流行を機にさらに多くの企業が導入を余儀なくされました。十分な準備時間がなかったこともあり、新しい制度を運用した結果、いくつかの課題が見つかっています。今回は、テレワークにおける雇用形態について考えます。
2020/11/04
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企業を変えるBCP
発災直後と3カ月後では市場が劇的に変化
前回は「BCPの実効性」の課題を考察しましたが、今回はBCPを経営的な視点でとらえることがテーマです。実際、自然災害のBCPで発災直後の対応は考えても、3カ月後、半年後のシナリオを考える企業は少ないのではないでしょうか。初動を乗り越えたその先の社会経済状況の変化を考える視点が、経営的に意味のある対応を導き出します。
2020/11/02
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企業をむしばむリスクとその対策
透明で続可能性の高い企業が評価される
国内最大の保険会社であり世界でも有数の機関投資家である日本生命保険が、2021年4月より全ての投融資の判断に、企業の環境問題や社会貢献への取り組みなどを考慮した「ESG」の考え方を採用すると公表しました。同社は既に、株式や社債、海外融資についてはESGを考慮した運用をすると表明していましたが、これまで対応していなかった国債や国内融資、不動産にもカバー範囲を広げ、全資産をESG目線で審査することにしたのです。
2020/10/28
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感染症時代のリスクマネジメント
在宅勤務の範囲と目的をはっきりさせているか?
前回は新型コロナウイルス感染予防の観点から、企業が新しいルールや制度を受け入れつつあることを説明しました。今回からは、その「ニューノーマル(新たな常態)」と呼ばれるルールや制度を取り入れることで新たに発生するリスクはないのか、またリスクがある場合はそれをどのように回避・低減していくべきかを考えます。
2020/10/21
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感染症時代のリスクマネジメント
「ニューノーマル(新たな常態)」に潜む新たなリスク
長期化が予想される新型コロナウイルス感染症の流行は、企業の経営環境に大きな変化をもたらしています。在宅勤務に代表されるテレワークの導入、出張や会食・接待、商談、イベントなどに関する新しいルールの策定など、業務遂行上のさまざまな見直しは企業のリスクマネジメントにも影響を与えるでしょう。本連載はそうした新たな制度やルールを、リスクマネジメントの観点から考察します。
2020/10/07
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企業をむしばむリスクとその対策
パワハラ防止法の対象にもなるコロナ問題
IT企業のコールセンターに勤務しているAさんは、先日体調を崩し3日間ほど会社を休みました。新型コロナの感染も疑われ、保健所の相談窓口で電話相談も行いましたが症状などから「受診は不要」と判断され、PCR検査などは受けられませんでした。翌日には熱も下がり、せきも収まったので、会社に出社しようと思いましたが、念のためのもう一日大事を取った後、出社しました。ころが、出社したAさんに対する周りの同僚からの反応は「怖いから近寄らないでほしい」という人も居て、いたたまれなくなったAさんはその日は会社を早退。その後、出社することが怖くなり、このまま会社辞めようと思っています。
2020/09/29
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日本企業のリスクマネジメントは機能したか?
多発する自然災害や、事故、不祥事など、企業を取り巻くリスクは複雑かつ多岐にわたる。こうしたさまざまなリスクを想定し、BCP やリスクマネジメント活動に取り組んできた企業は少なくない。しかし、新型コロナウイルス感染症は、またも多くの組織に「想定外」をもたらした。そのリスクは現在進行中でこの先も不透明だ。企業は未曾有の脅威にいかに対処していけばいいのか。
2020/09/14
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企業をむしばむリスクとその対策
企業と投資家の認識のズレを埋める
A社では、気候変動やグローバルサプライチェーンの寸断といった不確実性が高まる経営環境の変化に対応するために、数年前から多角化経営に着手していました。そのようななかで新型コロナウイルスの感染拡大が発生し、経済危機が発生。多角化経営の一環として社内で新規事業創出も始め、いくつかのイノベーションにつながる活動も端緒についたところです。しかし複数の投資家からさまざまな意見が出てきました。「投資家に対してきっちり説明して理解を得るように」との命を受けたBさんは、そのように説明すべきか頭を悩ませています。
2020/09/03
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海外のレジリエンス調査研究ナナメ読み!
第115回:欧州のリスクマネジャーの問題意識とこれからの役割
欧州のリスクマネジャーを対象に行ったアンケートの結果。今後12カ月間の懸念として挙げられたのは、1位がサイバー犯罪などに関する脅威、2位が経済成長の不確かさ、3位が重要なスキルを持つ人材の確保だった。ただし、調査期間は今年の1月から3月で、新型コロナウイルスのパンデミック影響があまり反映されていない。
2020/09/01
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【Lesson2(5講義)】個別のリスクに強くなろう
従業員が最低限知っておくべきリスクに関する基本的な知識を、SNS、社内不正防止、災害時リスクなど具体的な場面をもとに学びます。解説者は、フォーサイトコンサルティング株式会社の五十嵐雅祥氏です。
2020/08/28
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企業をむしばむリスクとその対策
人権配慮ルールの周知と公表範囲の決定
新たに感染者やクラスターの発生が公表されるたびに、感染者やその関係者に対する懲罰的な言動が起こり、場合によっては謝罪にまで追い込まれてしまうといった事態が全国各地で垣間見られます。しかし、コロナウイルスに感染することは、不祥事ではありません。「油断をしたから」「本人に落ち度があったから」「この状況下で軽はずみな行動をしたから」といった非難には、断固たる姿勢で「そうではない」というべきです。
2020/07/28