【イスタンブール時事】イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの停戦合意が18日、期限を迎えた。イスラエル軍は合意でレバノン南部撤収が定められたが、南部の要衝5カ所で駐留を継続する方針を表明。ヒズボラの軍事拠点への攻撃も散発的に続いており、緊張緩和には程遠い状況だ。
 停戦は昨年11月27日に発効した。60日の間にヒズボラがレバノン南部のリタニ川以北へ撤退し、レバノン軍が国連部隊と共に南部へ展開。イスラエル軍も地上侵攻した南部から撤収する予定だった。
 イスラエル側はレバノン軍の履行の遅れを批判し、合意は今年1月に延長された。ヒズボラの最高指導者カセム師はイスラエルに期限までの撤退を要求。レバノン大統領府は18日、イスラエル軍の駐留継続を「占領」と批判し、「撤退させるため全ての措置を講じる権利がある」と主張した。
 イスラエルメディアによると、軍報道官は17日、米国の承認を得た「一時的な措置」として一部駐留の継続を強調。カッツ国防相は18日の声明で「ヒズボラの違反には強力かつ妥協なき対応を続ける」と述べ、レバノン軍がヒズボラの武装解除を進めるよう改めて求めた。 
〔写真説明〕イスラエル軍の攻撃で破壊された家=17日、レバノン南部(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)