2025/02/15
防災・危機管理ニュース
【ワシントン時事】トランプ米大統領は、鉄鋼・アルミニウム輸入への追加関税に加え、関税や非関税障壁の高い国・地域への「相互関税」など、関税引き上げ方針を相次いで打ち出している。しかし、米国のインフレは再加速の兆しを見せており、関税導入で物価がさらに押し上げられれば、消費者の間にくすぶる不満を増幅しかねない。
「雇用は増える。物価も短期的には幾分上がるかもしれないが、(いずれ)下がるだろう」。トランプ氏は記者団に対し、関税による物価への影響は小さいとの見方を示した。
しかし、トランプ氏が関税導入に意欲を示す一方、米国のインフレが収まる気配はない。12日発表された1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇と、伸びが4カ月連続で拡大。とりわけ、消費者に身近な食品である卵が、鳥インフルエンザの影響で53%の急上昇を記録した。
昨年11月の大統領選で、物価高への有権者の不満はトランプ氏が返り咲きを果たした原動力の一つ。ただ、CBSテレビの今年2月上旬の世論調査では、価格引き下げに関し、トランプ氏の取り組みが「不十分」との回答が66%に上った。
クリーブランド連邦準備銀行のメスター前総裁はテレビインタビューで、根強い不満の背景について、賃金の伸びが価格上昇分をカバーできていないためと説明。「関税は物価引き上げを招くため、問題になるだろう」と、懸念を示した。
〔写真説明〕トランプ米大統領=13日、ワシントン(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/03/25
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方