カセットコンロ事故の4割は誤った使い方や不注意が原因。製品評価技術基盤機構(NITE)が2023年度までの10年間に起きた86件について調べたところ、こうした結果が出た。カセットボンベが過剰に加熱されて破裂するケースが多く、中には直撃を受けて死亡者が出た事故もあった。
 年度別では16年度の16件が最も多く、その後減少傾向にあったが、22年度は5件、23年度は8件と増加に転じた。原因は誤使用・不注意が33件で、38%を占めた。製品の不具合(13件)や経年劣化(5件)もあった。
 兵庫県の飲食店で22年、加熱したお好み焼き用の鉄板の上でカセットコンロを使っていたところ、ボンベが破裂して腹部に直撃を受けた60代女性が死亡。香川県では20年、ボンベの装着が不完全でガスが漏れ、点火した際に引火し、4棟が全焼した。
 宮崎県では17年、屋外でカセットコンロ2台を並べた上に1枚の大きな鉄板を載せて焼き肉をしていてボンベが破裂、大学生6人がやけどした。
 NITEによると、ボンベ内部が80度以上で破裂する危険性があるといい、大きな鍋や鉄板の使用、炭の火起こしなど、ボンベが熱くなる使い方をしないよう呼び掛けている。
 保管する際は、ストーブなどの周辺を避け、直射日光の当たらない冷暗所が推奨されている。担当者は「アウトドアや災害時など活用の幅が広がっている。危険性を知り安全に使ってほしい」と話している。 
〔写真説明〕カセットコンロを2台並べ、大きな鉄板を熱した再現実験(写真上)。左側コンロのボンベが熱せられ破裂した(同下)(NITE提供)

(ニュース提供元:時事通信社)