2025/01/02
防災・危機管理ニュース
能登半島周辺ではこの1年、マグニチュード(M)6クラスの地震が数カ月ごとに発生している。半島西方沖や金沢市直下などの活断層では新たなひずみが生じて地震のリスクが通常より高まっているとの指摘もあり、専門家は「数年よりもっと長い期間で注意が必要だ」と訴えている。
2024年11月26日には半島西方沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生。M6.6は、この4年間では能登半島地震に次ぐ規模で、その後も震度1以上の余震が相次いでいる。
能登半島地震を引き起こした半島北東側の断層より西に震源があり、別の活断層が動いた「誘発地震」とみられる。近くには「羽咋沖西断層」(長さ約21キロ)があるが、現時点で同断層が動いたかどうかは分かっていない。
金沢大の平松良浩教授(地震学)は「1月の大地震で動いた断層のひずみは解放されたものの、北陸地方にある周辺の断層には新たなひずみが生じている」と指摘。新潟県・佐渡島周辺の「富山トラフ西縁断層」(長さ約61キロ)の一部や、金沢市直下を走る「森本・富樫断層帯」(長さ約26キロ)などでも地震のリスクがこれまでより高まっているとした上で、「震度6強、場所によっては震度7クラスの大きな地震が起きる可能性もある」と懸念する。
政府の地震調査委員会が同年8月に公表した長期評価によると、いずれもM7.0~7.8程度の地震を起こす恐れがあるとされている。
平松教授は「これらの断層帯の周辺では小さな地震が増加しており、大きな地震の発生確率も高まっていると言える」と強調。さらに「能登半島地震の余震が起こることもある」として注意を呼び掛けた。
〔写真説明〕能登半島地震で地割れした輪島港=2024年12月14日、石川県輪島市
(ニュース提供元:時事通信社)

防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2025/04/01
-
-
-
-
-
全社員が「リスクオーナー」リーダーに実践教育
エイブルホールディングス(東京都港区、平田竜史代表取締役社長)は、組織的なリスクマネジメント文化を育むために、土台となる組織風土の構築を進める。全役職員をリスクオーナーに位置づけてリスクマネジメントの自覚を高め、多彩な研修で役職に合致したレベルアップを目指す。
2025/03/18
-
ソリューションを提示しても経営には響かない
企業を取り巻くデジタルリスクはますます多様化。サイバー攻撃や内部からの情報漏えいのような従来型リスクが進展の様相を見せる一方で、生成 AI のような最新テクノロジーの登場や、国際政治の再編による世界的なパワーバランスの変動への対応が求められている。2025 年のデジタルリスク管理における重要ポイントはどこか。ガートナージャパンでセキュリティーとプライバシー領域の調査、分析を担当する礒田優一氏に聞いた。
2025/03/17
-
-
-
なぜ下請法の勧告が急増しているのか?公取委が注視する金型の無料保管と下請代金の減額
2024年度は下請法の勧告件数が17件と、直近10年で最多を昨年に続き更新している。急増しているのが金型の保管に関する勧告だ。大手ポンプメーカーの荏原製作所、自動車メーカーのトヨタや日産の子会社などへの勧告が相次いだ。また、家電量販店のビックカメラは支払代金の不当な減額で、出版ではKADOKAWAが買いたたきで勧告を受けた。なぜ、下請法による勧告が増えているのか。独占禁止法と下請法に詳しい日比谷総合法律事務所の多田敏明弁護士に聞いた。
2025/03/14
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方