太平洋島しょ国が直面する気候変動問題などの解決に向け、川崎重工業やスタートアップ(新興企業)など日本企業6社が現地の企業や公社と事業の覚書や契約を結んだことが26日、分かった。島しょ国は気候変動や農林水産業の持続性確保などの社会課題を抱え、日本の技術力へのニーズは高い。企業側は近く政府が開くイベントにも参加し、新事業の展開を狙う。
 島しょ国を巡っては、港湾や空港といったインフラの整備を通じて中国が影響力を強めるなど、地政学上の重要性が増している。日本政府は島しょ国と経済連携強化を図り、地域での存在感を高めたい考えで、月内にもフィジーで計15カ国・地域が参加するビジネスイベントを開く。
 イベントには日本から12社が参加。このうち川重は再生可能エネルギー拡大に向け、パラオの公共事業公社と発電機制御の導入に関する実証実験の覚書を締結。カナデビア(旧日立造船)は再エネ活用の海水淡水化システムなどのパプアニューギニアでの導入を目指す。
 コーヒー豆の栽培を通じた森林保全や雇用創出に取り組むスタートアップなども参加。政府は島しょ国と連携する日本企業の裾野拡大も探る。 

(ニュース提供元:時事通信社)