【ニューヨーク時事】米航空機大手ボーイングは11日、全世界の従業員の10%に相当する約1万7000人を削減する方針を発表した。今年1月の機体事故による業績不振や、1カ月間続いているストライキの影響を踏まえた。コスト低減を図り、悪化の一途をたどる財務基盤を改善する狙いがある。
 米アラスカ航空が運行する機体の窓が吹き飛んだ事故などが響き、ボーイングの航空機生産が停滞。同社は慢性的な赤字に陥っている。追い打ちをかけるのが、米西部地域の従業員約3万3000人が加入する労働組合によるストライキだ。
 同社は9月上旬、組合に25%の賃上げを柱とした労働協約を提示した。ただ、上げ幅が不十分だとして、従業員らは協約を否決、13日からスト入りした。その後、同社は賃上げ幅を30%に引き上げたが、労使交渉は難航。スト終結のめどは立っていない。
 三菱重工業など日本企業が航空機生産の一部を担っており、ストが長引けば、損失が生じる懸念もある。
 一方、ボーイングのオルトバーグ最高経営責任者(CEO)は声明で、新型機「777X」の納入が2026年に遅れると表明。「われわれの事業は難しい立ち位置だ」と説明し、今後数カ月間で人員削減を進めるとした。
 また同社は2024年7~9月期決算の見通しについて、1株当たり損益が9.97ドルの赤字、営業キャッシュフローが13億ドルの赤字になると公表した。(了)

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