シンガポール通信最大手シンガポール・テレコム(シングテル)の固定電話回線で8日に発生した大規模通信障害に関し、情報通信メディア開発庁(IMDA)は調査に乗り出すとともに、あらゆる通信サービス事業者は緊急時対策を準備しておくべきだとの見解を示した。11日付のストレーツ・タイムズ紙が報じた。
 8日の通信障害は約3時間にわたり、警察や消防・救急などを担当する民間防衛隊(SCDF)への緊急通報だけでなく、公立病院や銀行、チャンギ空港などにも影響が出た。
 IMDAは原因を調査中として、通信法違反での厳罰もいとわない姿勢を示した。同法違反の場合、最高100万シンガポールドル(約1億1300万円)か年間売上高の10%の高い方を罰金として科す。IMDAは「通信ネットワークは重要なデジタルインフラだ」と強調した。
 シングテル子会社のシングテル・シンガポールのウン・ティアンチョン最高経営責任者(CEO)は、声明で通信障害について謝罪するとともに、今後障害が発生した際の迅速な対応策を検討しているとした。しかし、原因については言及しなかった。
 ストレーツ・タイムズ紙によると、影響を受けた公共医療機関シングヘルスは、シングテルが企業ネットワークやコールセンター向けに長年使用している総合デジタル通信網(ISDN)が障害の原因である可能性を指摘した。また、非営利団体「戦略サイバースペース国際問題研究所(CSCIS)」のディレクター、アンソニー・リム氏は、緊急回線の故障や使用中でつながらない場合、別の回線への自動転送が対策として有効と指摘した。(シンガポール時事)

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