2024/10/11
防災・危機管理ニュース
政府は11日の閣議で2024年版の「過労死等防止対策白書」を決定した。白書では、芸術や芸能関係のスタッフについて、過労死の認定ラインである「週60時間以上」で職場に拘束されている人の割合が35.2%に上る、との実態が明らかになった。
単純比較はできないものの、全業種の就業者で実労働時間が週60時間以上の割合は5.5%にとどまっており、芸術・芸能スタッフの長時間勤務が際立っている。
調査は昨年10~12月に、監督や脚本家、技術スタッフ、編集者といった芸術・芸能関係の職業に従事する488人に対して実施。仕事の関係者に「心が傷つくことを言われた」という人の割合は42.0%、「殴られた、蹴られた、たたかれた、または怒鳴られた」は22.3%だった。
取引上のトラブルの経験では、「仕事を受ける前に報酬額を提示されない」が51.0%に達した。芸術・芸能分野で働く労働者も含めたフリーランスが安心して働ける環境を整備する法律が、11月1日に施行される。発注事業者に対し、報酬額など取引条件の明示を義務付けるほか、ハラスメント防止の体制整備を求める。(了)
(ニュース提供:時事通信 )
(ニュース提供元:時事通信社)
- keyword
- 過労死白書
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/12/24
-
-
-
能登の二重被災が語る日本の災害脆弱性
2024 年、能登半島は二つの大きな災害に見舞われました。この多重被災から見えてくる脆弱性は、国全体の問題が能登という地域で集約的に顕在化したもの。能登の姿は明日の日本の姿にほかなりません。近い将来必ず起きる大規模災害への教訓として、能登で何が起きたのかを、金沢大学准教授の青木賢人氏に聞きました。
2024/12/22
-
製品供給は継続もたった1つの部品が再開を左右危機に備えたリソースの見直し
2022年3月、素材メーカーのADEKAの福島・相馬工場が震度6強の福島県沖地震で製品の生産が停止した。2009年からBCMに取り組んできた同工場にとって、東日本大震災以来の被害。復旧までの期間を左右したのは、たった1つの部品だ。BCPによる備えで製品の供給は滞りなく続けられたが、新たな課題も明らかになった。
2024/12/20
-
企業には社会的不正を発生させる素地がある
2024年も残すところわずか10日。産業界に最大の衝撃を与えたのはトヨタの認証不正だろう。グループ会社のダイハツや日野自動車での不正発覚に続き、後を追うかたちとなった。明治大学商学部専任講師の會澤綾子氏によれば企業不正には3つの特徴があり、その一つである社会的不正が注目されているという。會澤氏に、なぜ企業不正は止まないのかを聞いた。
2024/12/20
-
-
-
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方