2024/09/28
防災・危機管理ニュース
【エルサレム時事】イスラエル軍は28日、隣国レバノンの首都ベイルート南郊で27日にイスラム教シーア派組織ヒズボラの本部を空爆し、指導者ナスララ師を殺害したと発表した。組織を長年率いたナスララ師の死亡は、通信機器の一斉爆発や大規模空爆に続き、ヒズボラに大きな打撃となる。ヒズボラや後ろ盾イランの対応次第では、イスラエルとの全面衝突に発展する恐れがある。
イスラエル軍は声明で「住宅地の地下につくられた本部で、ヒズボラのイスラエル市民へのテロ活動が進められていた」と主張。ナスララ師を「多くのイスラエル人の殺害、世界中でのテロ攻撃の責任者」と糾弾した。同師のほか、幹部や司令官も空爆で死亡したという。ヒズボラもナスララ師の死亡を確認した。
27日の攻撃は、イスラエルがレバノンに侵攻した2006年以降で最大規模のベイルート空爆とみられる。イスラエルのネタニヤフ首相は訪問先の米ニューヨークで攻撃を承認。27日の演説では「残忍な殺人者から身を守る必要がある」と述べ、米国や日本などが提案した一時停戦を否定する姿勢を見せた。
イラン国営メディアは28日、ナスララ師への空爆現場にいた精鋭軍事組織「革命防衛隊」の幹部も死亡したと伝えた。イランが反発する可能性もある。
イスラエル軍は28日もベイルートや南部、東部などで空爆を継続。ヒズボラも地対地ミサイルやロケット弾で反撃し、攻撃の応酬が一段と激しさを増している。軍は28日、本土防衛などのため予備役の3大隊招集を発表した。
ヒズボラは昨年10月、パレスチナ自治区ガザからイスラエルを奇襲したイスラム組織ハマスとの連帯を掲げ、イスラエルに対する越境攻撃を繰り返してきた。イスラエル軍は今月に入ってヒズボラへの攻勢を強めており、ネタニヤフ氏は「全力でヒズボラへ攻撃を続ける」と主張。レバノンへの地上侵攻も排除していない。
〔写真説明〕レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者ナスララ師=19日(ヒズボラ系テレビ局の映像より)(AFP時事)
〔写真説明〕28日、イスラエルの空爆を受けるベイルート南郊(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
なぜ製品・サービスの根幹に関わる不正が相次ぐのか?
企業不正が後を絶たない。特に自動車業界が目立つ。燃費や排ガス検査に関連する不正は、2016年以降だけでも三菱自動車とスズキ、SUBARU、日産、マツダで発覚。2023年のダイハツに続き、今年の6月からのトヨタ、マツダ、ホンダ、スズキの認証不正が明らかになった。なぜ、企業は不正を犯すのか。経営学が専門の立命館大学准教授の中原翔氏に聞いた。
2024/11/20
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!今週のニュース解説
毎週火曜日(平日のみ)朝9時~、リスク対策.com編集長 中澤幸介と兵庫県立大学教授 木村玲欧氏(心理学・危機管理学)が今週注目のニュースを短く、わかりやすく解説します。
2024/11/19
-
ランサム攻撃訓練の高度化でBCPを磨き上げる
大手生命保険会社の明治安田生命保険は、全社的サイバー訓練を強化・定期実施しています。ランサムウェア攻撃で引き起こされるシチュエーションを想定して課題を洗い出し、継続的な改善を行ってセキュリティー対策とBCPをブラッシュアップ。システムとネットワークが止まっても重要業務を継続できる態勢と仕組みの構築を目指します。
2024/11/17
-
-
セキュリティーを労働安全のごとく組織に根付かせる
エネルギープラント建設の日揮グループは、サイバーセキュリティーを組織文化に根付かせようと取り組んでいます。持ち株会社の日揮ホールディングスがITの運用ルールやセキュリティー活動を統括し、グループ全体にガバナンスを効かせる体制。守るべき情報と共有すべき情報が重なる建設業の特性を念頭に置き、人の意識に焦点をあてた対策を推し進めます。
2024/11/08
-
-
-
リスク対策.PROライト会員用ダウンロードページ
リスク対策.PROライト会員はこちらのページから最新号をダウンロードできます。
2024/11/05
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方