【ベルリン時事】スイスの新聞が「読者の声」として写真付きで掲載した人物について、生成AI(人工知能)技術による捏造(ねつぞう)だったとして記事を取り消した。「事実に基づいて報道している」などと同紙を評価する発言をさせており、他の地元メディアは「でっち上げの自画自賛だ」と批判している。
 問題になったのは無料日刊紙「20分」の今月11日付の創刊25周年記念特別号。読者を紹介するページに登場した2人が架空の人物だった。湖の前に座るラテン系の青年「ダレルさん(23)」は、「特定の方向に押し付けられず、自分の意見がつくれる」などの発言とともに掲載された。
 写真の一部に生成AIの特徴があると外部から指摘され発覚。編集長は「スタッフが独自に行った。編集部は把握していなかった」と釈明した。 
〔写真説明〕生成AI(人工知能)技術で捏造(ねつぞう)された「読者」を掲載したスイス紙「20分」の紙面(画像処理をしています)

(ニュース提供元:時事通信社)