石川県・能登半島北部を襲った記録的大雨で、消防や警察などは24日も行方不明者らの捜索を続けた。気象庁が大雨特別警報を出してから、同日午前で生存率が急激に下がるとされる「72時間」が経過。新たに1人の死亡が確認され、死者は8人となった。360人以上が孤立集落に取り残されていることも判明し、県は土砂崩れによる通行止めなどの復旧に全力を挙げる。
 県によると、大雨による死者は輪島市6人、珠洲市1人の計7人。行方不明者は2人、連絡が取れない安否不明者は5人に上る。
 消防などによると同日夜、珠洲市大谷町の捜索現場で1人が救出されたが死亡が確認された。警察は、同町で安否不明となっている女性(79)とみて身元確認を進める。
 輪島市を流れる塚田川の氾濫で、同市久手川町では複数の住宅が流され、女子中学生(14)を含む3人と連絡が取れていない。消防や警察、自衛隊が約520人態勢で懸命の捜索を続けたが、安否確認には至らなかった。
 24日午後4時時点で、孤立集落は輪島市など46カ所に上り、少なくとも367人が取り残されている。避難者は621人、停電は約2900戸、断水は約5200戸に及んでいる。
 県によると、約40人の災害ボランティアが輪島市に入り、床上浸水した仮設住宅で災害廃棄物の運び出しや土砂の除去作業などを行った。
 輪島市教育委員会によると、市内の学校で浸水や断水が確認され、全ての市立小中学校(小学校9校、中学校3校)が25日まで臨時休校となった。 
〔写真説明〕複数の住民が安否不明になった塚田川流域で捜索に当たる警察関係者=24日午後、石川県輪島市

(ニュース提供元:時事通信社)