中央省庁や地方自治体が過去に使っていたドメイン(インターネット上の住所)が第三者に取得され、無関係な別サイトに転用される事例が後を絶たない。消費者金融や、デートの見返りに男性から金品を受け取る「パパ活」情報サイトのドメインとなった事例もあった。
 「お金を借りる方法、全部紹介します」「無職でも借りられる」。東日本大震災の復興情報などをまとめた宮城県の旧「みやぎ復興情報ポータルサイト」のドメインをインターネット上で入力すると、こんな言葉が画面に表示される。
 旧サイトが2021年度末に閉鎖された後、何者かが期限切れとなったドメインを取得したとみられる。県は22年8月ごろ、外部からの指摘で事態を把握。関係機関に旧サイトへのリンク削除を要請するなどの対応に追われた。ドメインが消費者金融の紹介サイトに使われたことに、担当者は「困惑している」と戸惑いを隠せない。
 新型コロナウイルス対策の関連サイトでも転用が判明。厚生労働省では、昨年5月まで使用していた外国人向けのコロナ相談窓口サイトのドメインがネットオークションに出され、落札された。
 コロナ禍で打撃を受けた飲食店を支援する農林水産省の「Go To イート」事業でも、複数の特設サイトのドメインがネットオークションにかけられ、パパ活やオンラインカジノの紹介サイトに変わっていた。 

(ニュース提供元:時事通信社)