気象庁は6日、南海トラフ地震評価検討会(会長・平田直東京大名誉教授)の定例会合を開き、8月8日の日向灘での地震で相対的に高まった大規模地震の可能性が「時間を経るにつれて低下してきた」とし、「プレート境界の固着状況に特段の変化を示す地殻変動は観測されていない」との評価をまとめた。
 定例会合は8月に「臨時情報(巨大地震注意)」を発表して以降初めて。宮崎県で最大震度6弱を観測した地震の後、今月6日正午までに南海トラフ地震の想定震源域内で発生した震度1以上の地震は28回。東海から四国西部などでは、周期的に起きるゆっくりとした滑りや微動も確認されているが、いずれもプレートの状況には影響しなかったという。
 終了後の記者会見で平田会長は「現在は通常と異なる変動はないものの、南海トラフ地震は何の前触れもなく、いつ起きても不思議ではない状況が続いている」とくぎを刺し、改めて日ごろからの備えを進めるよう呼び掛けた。 

(ニュース提供元:時事通信社)