南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」の制度設計に携わった名古屋大の福和伸夫名誉教授が5日、日本記者クラブで記者会見し、8月の初めての発表について、「ほとんど周知されていなかったにもかかわらず、国民の行動は比較的冷静だった」と語った。
 臨時情報は8月8日、茨城から沖縄まで29都府県の707市町村を対象に発表された。その後、同地震の想定震源域周辺でプレート境界の状況に特段の変化が見られず、1週間後の15日に終了した。
 福和氏は2019年5月の制度開始後に新型コロナウイルスが流行したことで「この仕組みを周知させることができなかった」と振り返った上で、「(発表が)国民を啓発する良い機会になり、あらゆる人が当事者として判断する力が付いた。やっとスタートラインに就いた」と話した。 
〔写真説明〕南海トラフ地震の臨時情報について記者会見する名古屋大の福和伸夫名誉教授=5日午後、東京都千代田区の日本記者クラブ

(ニュース提供元:時事通信社)