気象庁は2日、山形・秋田両県で7月25日ごろに記録的な大雨となったのは、東北地方に停滞した梅雨前線のほか、日本海側から流れ込んだ大量の暖かい水蒸気と上空の寒気が要因だったと発表した。大気の状態が非常に不安定となり、山形県では発達した雨雲が連なる線状降水帯が2回発生。大雨特別警報も2回発表された。
 同庁異常気象分析検討会(会長・中村尚東京大教授)の報告書によると、日本海側からの大量の水蒸気は、当時台湾付近を北西へ進んでいた台風3号と西日本に強く張り出した太平洋高気圧が原因。高気圧の縁を時計回りに回る暖かく湿った空気に台風周辺の大量の水蒸気が合わさり、対馬海峡や日本海を経て東北の梅雨前線に流れ込んだ。
 一方、山形県などの上空約5800メートルでは、氷点下6度以下の寒気が広がり、大気の状態が不安定になった。このため雨雲が発達し、線状降水帯が発生しやすくなったという。 
〔写真説明〕大雨で増水した日向川=7月25日、山形県遊佐町(同県提供)

(ニュース提供元:時事通信社)